■本質を究める 73 自然の猛威 (No.589)
連日,猛暑が日本列島を襲っている。最高気温が38℃を連日超えている。嘗て,経験したことのない猛暑の連続である。雨が一滴も降らず,庭の草木に朝夕水やりをしても追いつかないくらいである。
連日の猛暑
3連休前から,連日うだるような暑さが続き,一週間以上続いている。ニュースでも,熱中症に救急搬送される人が相次いでいると報道されている。太平洋高気圧とチベット高気圧が重なって日本を覆っているとのことである。
この暑さは人の力ではコントロールできるものではない。自宅ではエアコンを点けっぱなしの状態で,夜も温度は調整するものの,点けていないと寝苦しくて眼を覚まし,体調不良を起こしそうなので一晩中点けている。これまでも真夏の暑い日には,このような対処法を取っていたが,それがここのところは連日続いている。
我が家は庭にひまわりを育て,菊を育てている。ひまわりは咲き始めたが,朝夕に水をやらないと,一日中は持たず,しおれてしまうので,水を絶やさないように気を付けている。一方,菊の方は基本は朝に一回水又は液肥などで十分なのだが,この暑さには勝てず,二階から垂らした遮光幕で日中のきつい直射日光を避けているが,それでも十分ではなく,夕方にも軽く水をやっている。多量の水は嫌うので,その加減が難しい。
人間も猛暑には弱るが,植物は眼に見えてよく判る。これだけ猛暑が続くと,人が手入れしている植物は大丈夫だろうが,自然のままの状態にあるものは,枯れてしまうことも起こり得るような酷さである。先日の豪雨の災害と共に,自然の猛威の前に人は何もできない状態である。せいぜい,家の中で暑さを回避する手段をとることくらいで,外での行動は制限されてしまう。
私など,暑さには弱い(数年前に何度か,熱中症の症状になった経験がある)ので,十分気を付けているつもりであるが,なかなかその限界レベルが把握できない。数年間,夏には夏眠と云ってテニスなど激しいスポーツは止め,気を付けていたが,庭の菊の手入れなど知らず知らず限度を超すことがあり,この3連休の前に,熱中症症状を引き起こし,病院で点滴してもらったのである。軽い症状で何とか納まったが,気を付けないといけないと思い知らされた次第である。
この異常気象はいつまで続くのか?天気予報では今週一杯は,猛暑日が続くようで,熱中症などに気を付けるよう呼びかけられている。
自然災害
自然の猛威には人は何もできない。人の予想(推測)を遙かに超えることが起こっている。それによって命を落とされる人がでてきている。自然の災害だと,片付けてしまうには,何とも腑に落ちない虚しさがある。西日本豪雨の災害も,ついには200人を超す命が奪われたようである。岡山の真備町の水害では,多くの人が逃げ遅れ,自宅で水死されたようである。殆どが高齢者である。
なぜ逃げなかったのか,との疑問もあるが,逃げようにも逃げられなかったようである。他人事では済まされない惨事である。台風などの自然災害はこれまで何度か経験し,その凄さに畏れおののくが,情報が発達した現在ではある程度の予測がなされ,その対策もいろいろ講じられて,被害を拡大させない方法が取られつつある。台風の進むコースも時刻も刻々と伝えられ,身構えができるようになってきている。
それなのに,今回の西日本の豪雨の凄さと被害の大きさ,さらには連日続く猛暑の凄さと被害の大きさ,これらには十分な対策が講じられてきたのだろうか?自然の恐ろしさに,今更のように身震いさせられるのは私だけだろうか?
科学の進歩
自然に対して,いろいろな研究が行われており,雨を降らすことは部分的ではあるが,雨雲をつくり雨を人工的に降らす方法はあるようである。こうした科学の進歩が少しずつであっても進むことで,猛暑に対応することができる時代もやってくるような気がする。逆に,豪雨災害のように,部分的に集中豪雨になることが予測されるようになってきているので,そうした集中豪雨を回避できる方法も,見出されるだろう。
自然には勝てない,と云われ続けており,自然の怖さを侮らないことは大切なことだが,良い意味で自然を人工的にある程度コントロールできるようなことはできないことはない。時間は掛かるだろうが,そうした自然の脅威を回避する科学技術が生まれることをねがうばかりである。多くの犠牲者に報いるためにも,新しい技術に挑戦し,成功させて欲しいものである。
自然の脅威は予測を遙かに超える
[Reported by H.Nishimura 2018.07.23]
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