■本質を究める 57 カウンター攻撃 (No.510)
今年初めてのテニスで,カウンター攻撃が見事に決まり,スカッとしたことがあったので紹介する。
決定的瞬間
先ず,決定的瞬間が起こった状況から説明しよう。毎週一回テニスの練習に通っており,その中でゲームで起こったことである。ダブルスの練習試合をやっていて,相手がコーチと生徒で,こちらが生徒同士での戦いで,相手に攻め込まれ,必死に防戦している状態で,辛うじてロブ(高く緩いボールを上げて相手を後に下がらして攻撃に転じる一つのプレイ)を上げたが,そのボールが短く前衛のつかまり,スマッシュ(高く上がったボールを力強く相手のコートに打ち込むこと)をされたが,それを再びロブで何とか返したが,これも浅く,再びスマッシュをされるというピンチだった。
勢いの付いたボールがコートにたたきつけられたが,幸いにも私の手の届くところにきたので,その瞬間,思い切ってフォアハンドのストロークで切り返したところ,勢いの付いたボールが瞬間に相手のコートに入ったので,流石のコーチも呆然と見送ることしかできず,ポイントを取ったのである。見ていた生徒も全員が,「ナイス,カウンター」と拍手を送ってくれ,やられたコーチも,「上手い」と褒めてくらたのである。こんなことは,そう易々と起こることでは無いが,スマッシュされたボールでも食らいついて返す練習をしていたからこそできた技である。
先ずは,攻撃が容易な浅いロブしか返せなかったので,相手側はスマッシュの一撃で決まったと油断したところに,勢いよくカウンターが返ってきたので,コーチでさえその一瞬に反応できないことが起こったのである。スポーツではこうした反撃の場面が時々起こる。完全にボールがデッドして終わるまで,勝敗は決しない。したがって,練習でも相手のスマッシュに耐える練習もする。つまり,勢いよくたたきつけられたボールに食らいついて,何とか相手のコートに返す練習である。或いは,スマッシュされたようなスピードボールを,打ち返すテクニックも教わる。こうした練習成果が出た瞬間で,実に快感だったのである。
カウンター攻撃とは
一般にカウンター攻撃は,カウンター・アタックとも云われ,防御体勢から一気に攻撃に転じる速攻を意味している。一番多く目にするのはサッカーの試合で,ボールが自陣にあって,相手が果敢に攻撃している状態で,2,3人のディフェンスを残して攻撃してきている状態では,相手のコートは広く空いている状態になる。そこで,攻撃されたボールを奪い,素早くフォワードを走らせ,ロングボールを蹴ると,一瞬にして攻撃が反転し,少ないディフェンス陣に対して,素早く走り抜けたフォワード数人で攻撃してネットを揺らすことがあり,これらをカウンター攻撃と云い,劣勢のチームがしばしば用いる作戦である。
サッカーの試合でよくあることだが,何本シュートを打ったかではなく,ゴールネットを揺らさなければ点数が入らない。シュートを打たれ放しで,劣勢が続いても,一回のカウンター攻撃が成功すれば,勝ちに繋がることが起こる。それほど,妙味のある攻撃である。しかし,これを主力の戦力としても勝ち目は少ない。やはり,基本のシュートに繋げるパターン練習を繰り返し,実践でそれができるチームが強い。だから,普通一般にはシュートの本数が多い方に分がある。
相手チームとの実力の差が大きい場合,弱者のチームが取る戦術の一つとして,カウンター攻撃が使われる。つまり,強者の奢りのスキを上手く付いて,逆転する戦術であり,スポーツの世界だけでなく,弱者の立場に置かれた側が起死回生に打つ手であり,強者に相対したとき,一度は考える価値のあるものである。これも,練習もせずにできることではなく,日頃から置かれた状態を良く理解し,自分たちに見合ったことを根気よく繰り返してこそ実現できるものなのである。
テニスで体力維持
ここでも述べたことがあるが,40歳になって体力維持の一つの方法として,テニスで身体を鍛え,体力維持をすることを心掛けてきて,ずっと30年間継続できている。もちろん,若い頃とは違い,瞬発力も落ち,体力自体も低下する中で,年齢以上に体力を保つには,自らの運動能力の低下を少しでも防ごうとする地道な努力である。
幸いにも,この歳になっても,若い世代とテニスの試合をしても,それほど見劣りはしない。もちろん,長丁場の試合などはムリである。しかし,普通一般の同年代よりも,若い体力は維持できていると自負している。冒頭に述べた,カウンター攻撃が見事に決まるなど,精神的にもスカッとする瞬間で,気持がよい。心身共に健康を維持できている。
日頃の訓練が実践に活きる!!
[Reported by H.Nishimura 2017.01.09]
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