■本質を究める 54 プロフェッショナル (No.495)

前回はスポーツのプロとアマについて述べたが,スポーツではなく一般的に使われているプロフェッショナルについて考えてみる。

  プロの仕事

殆どの人が職業に従事し,それで飯を食っている。つまり,仕事に於けるプロフェッショナルである。しかし,一般的には職業人に対してプロフェッショナルと云う表現は余り用いない。プロフェッショナルと云えば,その道では秀でた特別な人に用いることが多い。テレビ番組など,プロフェッショナルとして紹介されるような人物は,この類の人である。

プロの仕事,と云えばやはり一流の仕事ができることを指す。その道で有名な人はプロの仕事をしている人である。ただ,普通一般人でも無名の人でもプロの仕事ができる人も居る。つまり有名,無名に関係なく,その道を極めた人,誰もが認める専門性に秀でた人で,自信を持って仕事をしている人こそ,プロの仕事をやっていると云える。

  プロ意識

プロスポーツの選手や芸能人がお客に感動を与えるような言動を常に心掛けている意識などに一般的には用いられることが多い。我々一般人には,ミスをしたりするとプロ意識が足りない,などと余り良い意味では使われないことが多い。

裏返して考えれば,一人ひとりが自分自身の仕事や行動に責任をもって,きっちりと務めていることが最低限必要なことで,そこで誰にも負けないような自負がもてる仕事ができているような状態にあることがプロ意識に繋がるものなのである。したがって,プロ意識を持って仕事ができていれば自分の成長にも繋がるし,人生を大きく飛躍させるきっかけにもなるのである。

特に技術者にとっては,専門技術を有していることが必須であり,企業間の競争社会の中で,その専門技術において秀で,他社を圧倒するような技術で素晴らしい商品開発をするようなことができれば,プロフェッショナルとしての誇りを持つことができる。技術者が誰も,いつでもできるわけではないが,これぞと云うときに実力を存分に発揮できれば本望であろう。

  プロの要件

プロフェッショナルの要件としてどのようなものか,自分では未だ十分な整理ができていない。ネットなどで調べればいろいろなものが出てくるが,なるほどと感じたものを参考に挙げてみる。

先ずは,ドラッカーの言葉で,「プロフェッショナルの条件」から,成長と自己改革を続けるポイントとして

  1. ビジョンを持つこと
  2. 仕事観を持つこと。仕事において真摯さを重視する。即ち,誇りを持ち,完全を求めること
  3. 日常生活の中に継続学習を組み込んでいること
  4. 自らの仕事ぶりの評価を仕事そのものの中に組み込んでいること
  5. 行動や意志決定がもたらすべきものについての期待を,予め記録し,後日,実際の結果と比較すること
  6. 先生や上司から,仕事や地位や任務が変わったときには,新しい仕事が要求するものについて徹底的に考えることを教えられ,実行させられてきたこと

  以上の前提となる重要なこととして,成果を上げ続け,成長と自己変革を続けるには,自らの啓発と配属に自らが責任をもつこと

次は,コンサルタントとしてのプロの要件として,「プロフェッショナル原論」波頭 亮著に次のようなものがあったが,これも何となくしっくりしたので参考に挙げておく。

  1. 高度な職能の保有       −−−極めて高度な知識や技術の裏付け
  2. 特定のクライアントの問題解決−−−顧客・依頼人からの特定の依頼事項の解決
  3. インディペンデントな立場   −−−職業人として独立した身分
  4. 公益への奉仕         −−−公益に寄与すること
  5. 厳しい掟の遵守        −−−顧客利益第一,成果指向,品質追求,価値主義,全権意識などの掟

      

プロフェッショナルであるためには,並々ならぬ努力が必要である

 

以前へ 本質を究める 53  次へ 本質を究める 55  

 

[Reported by H.Nishimura 2016.09.19]


Copyright (C)2016  Hitoshi Nishimura