■本質を究める 50 気分転換を図る (No.477)

生活のリズムが上手く取れているときは,何事も上手く行くことが多い。しかし,世の中は自分が思っているほどスムーズには行かず,何かと問題を抱えている。それがこじれると深い闇に包まれたような暗雲立ち込めた状態に陥ってしまうことさえある。しかし,そうなる前に上手く気分転換を図ることで,悪循環を断ち切り,本来の生活のリズムを取り戻すことができる。

  世の中,ストレスはつきもの

仕事をしていて計画通り上手く行っているときは,多少無理をしていても余り疲れを感じないものである。しかし,必ずしも上手く行くとは限らず,誰しも思い通りにならないどん底に落ち込んだ経験を持っているだろう。こうしたときは,何をしても上手く行かず,結果的には時間の経過を待つしかないこともある。

全体の景気が上向きのときは,往々にして何事も上手く行くことが多い。ところが景気が後退してくると,計画していたことの少しの遅れを取り戻そうとして頑張っても,なかなか挽回できない状態に陥ってしまうことがある。焦れば焦るほど空回りしてしまう。ストレスは溜まる一方で,イライラ感も募ってくるものである。真面目に仕事をしている人ほど,この罠に陥りやすい。

ライバル社との競合でも,勝ちたいと云う思いが強いほど,焦りに似た気持が先走る。物事に集中すればするほど,狭い領分しか見えず,つい先のことだけを考えてしまいがちである。一歩先,半歩先へとの思いが強くなる。こうした状態に置かれた場合その場は,意外と集中力が勝っていて疲れを感じないことがある。しかし,思いとは裏腹になかなか結果が伴わないことが続くと,大きなストレスとしてのしかかってくる。ライバルと雖も同じ人間が考え,行動しているのだから,大きな差は無いことは判っていても,なかなかそうは冷静にはなれない。

仕事以外でも,何か気掛かりなことがあると,そのことが気になり,なかなか頭から離れないことがある。その状態が続くと,ストレスが溜まりだし,さらに深刻な状態に陥ってしまうことがある。何か上手く切り替えられるようなことがあればよいが,そうしたときに限って気掛かりなことに集中し,悪い思いが増長していく。物事が悪い方へ悪い方へと廻ってしまう。そんな経験は誰しも抱いたことがあるだろう。

自分だけがこのような悪い状態に陥ってしまっていると感じてしまっている。実は同じような思いに陥ってしまっている人は自分独りではない。誰しもが経験することなのだ,と思うだけでも,少しは気が休まる。ストレスは貯め込めば貯め込むほど,深みに嵌り,早い内に抜け出すことができれば負担も大きくない。つまり,如何に早い段階で,ストレスから解放される機会を作ることであり,それが気分転換することなのである。

  上手く気分転換する

それではどのようにすれば上手く気分転換が図れるのだろうか?気分転換ができないのは,ストレスを深刻化させ,その深みから抜け出せない状態である。そんなときの解決策は,如何に自分の持っている他の引き出しに誘導し,違うことを考えつくことである。その一つは,幾つかの趣味を持つことである。

趣味とは,自分の好きなことであり,時間や場所,更にはお金も度外視して,自分の世界に浸ることができるものであり,それに上手く誘導できれば,深刻な思いを回避できる機会となる。また,趣味は好んでやるものであり,嫌な気分の状態にあっても直ぐに乗り気になることができ,さらに,興味のあることなので,良い気分にしてくれ,気分を変えるには非常に優れている。いろいろな場面があるので,一つの趣味ではなく,多趣味,即ち,引き出しの幾つかを持っている方が良いのは言うまでもない。

趣味と云えなくても,定期的に何かをやっている場合でも,そのときが来れば,否応なしに定期的なことに切換ができる。この何でもない切換が,滅入った状態から救ってくれることがある。仕事以外には何も無い。年がら年中仕事のことばかり考えていると云うのは余り良くない。仕事を上手く捗らせ,効率よく仕事をしている人は,必ず,仕事以外の切換を上手く作り,気分転換を図っている場合が多い。この気分転換こそが,仕事をより効果的にさせる源でもある。

気分転換を図る方法は趣味だけではない。青空の下で太陽の光を浴びたり,スポーツに打ち込んだり,本を読んだり,クラシック音楽を聴いたりと,自分に合った方法が必ずあるはずである。気分転換は一律に決まった方法があるわけではない。ある人にはピッタリ当てはまる気分転換の方法が,ある人にはストレスを増長させることだったりもする。滅入ったときに試みる方法なので,手軽な方法の方が良いのは当然である。是非,自分の気分転換法を身に付けたいものである。

ただ,物事を悲観的に見るか,楽観的に見るかで大きな違い,所謂個人差が出てくる。悲観的に見やすい人は,どうしても自分の中にストレスを溜めやすくなる。もちろん,性格的な面が大きく左右するので,一朝一夕には楽観的に見るように変えることができないが,良くなることを信じるように努力するのである。性格的なものは変わらないと思っている人が多いが,意外と自分が思っているより,ものの見方は訓練次第で変わってくるものである。

ストレスの掛かった,滅入った状態に陥ってしまうことは誰しもしたくない。それを回避するための自分なりのやり方を日頃から見つけておき,いざと云うときに利用するのである。その引き出しを準備すること,つまり気分を変える自分なりの気分転換法を日頃からやっておこう。

気分転換は気持をリフレッシュさせてくれる!!

独自の気分転換法を持とう!!

 

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[Reported by H.Nishimura 2016.05.16]


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