■本質を究める 20 (No.334)

守りよりも攻めの気持を大切に!(新しいことへの探求心)

  チャレンジ精神が技術者には必須

技術者の使命は新しい技術,新しい製品の創造である。発明・発見は技術者の地位を高める有効な手段である。つまり,技術者は他の人と違って,新しいことに挑戦し,新しい発明・発見により,人類の文化発展に貢献することができることである。この特権を大いに活かさないことはあり得無い。

我々の生活を便利なものにしてくれるもの,或いはこれまでできなかったことをできるようにしてくれる新しい技術が盛り込まれた新製品など,周りを見てみるといろいろなものが新たに世の中に出てきているが,これらはすべて技術者の努力の賜物である。もちろん,技術者だけではなく,必要とする強いニーズがあって初めて出来上がったものも多い。

技術者としての経験から云えば,新しい発明や発見は容易にできるものではない。いろいろな失敗や挫折を経験しながら,努力を重ねることで産み出されたものもあれば,一種天才のひらめきのような偶然的な産物であることもある。ここで言えることは,失敗や挫折にもめげずチャレンジすることが必要で,このチャレンジ無くしては新たなものは産み出されない。ただ,一言にチャレンジと云うが,チャレンジすることは容易なことではない。つまり,大きなリスクを抱えることだからである。確実にできることはチャレンジとは云わない。できるかできないか判らない五分五分のリスクがあってこそチャレンジと云える。

確実に仕事をこなして行くことは賢明なことである。しかし,技術者は確実なことだけに満足するようでは一人前とは云えない。未知なこと,不確実なこと,そうした新しいことへの探求心が無いようでは技術者として社会に十分貢献できるとは言い難い。つまり,技術者としては常に新しい扉を拓く気持を持って仕事に当たって欲しいものである。

  攻撃は最大の防御(Attack is the best form of defense)

攻撃は最大の防御である,と云う言葉がある。これは英語のことわざでラテン語から来ているらしく,世界中で共通の見方である。つまり,攻める姿勢で以て事に当たれば,防御にも十分役立つことになることを示している。

野球やサッカーなど日頃見慣れたスポーツでも,よく見掛ける場面である。攻撃的な,チャレンジ精神が旺盛な状態で頑張っている姿は伸び伸びとしていて清々しい。ところが,最少得点差を守ろうと守りの姿勢に入ってしまうと,積極性が無くなり,萎縮してしまった状態となって思わぬ失点をしてしまうケースが多い。つまり,攻撃的な姿勢を見せないと相手側がその弱点を上手く突くことができる隙を与えてしまっているのである。

新製品開発でもヒット商品があると,どうしてもその商品を売り続けて利益を上げることに固執して,守りの姿勢になったしまうことが多い。そうすると自ずと次の新しい製品開発が疎かになり,ヒット商品に続く商品が出てこないことになってしまう。企業にとって,いつでもチャレンジャーとして攻め続ける姿勢が如何に大切かと云うことをしみじみと味わうことになる。優良な企業の製品群を見ると,次々新製品が生み出されている

技術者には攻めの姿勢が必須

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[Reported by H.Nishimura 2013.08.19]


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