■抽出法9 人の生産性三要素から考える

人の生産性には三つの要素があり,この要素を基本に課題を検討すると,上手く抽出することができることがよくある。その方法を説明しよう。

  人の生産性三要素とは?

人の生産性は三つの要素から成り立っていると云われている。(参考:MOT人材とその育て方

  1. ミッション(MUST)   : なすべきことに対する理解
  2. モチベーション(WILL) : 率先してやる意欲
  3. スキル(CAN)      : 実践するための技能

この三つの重なりが出来た部分が生産性を最大化できる,即ち,コンピテンシー(発揮能力)が最も大きくなる部分で,この範囲に入る仕事ができることが理想である。

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  なぜ,生産性から考えるのか?

上図は,生産性を最大化する図式を示したものであるが,この図が課題抽出にも役立つ。

企業活動の中で,人の生産性は必要不可欠なもので,人が活動する限り,三要素が絡んでいる。そのことは,活動する中でのいろいろな課題もこの三要素のどれかに関係していると云える。だから,課題を抽出する観点として,1.役割に関係する点,2.意欲に関係する点,3.スキルに関連する点,の各々から課題を見つけ出そうとすると,意外と容易に見つけられるのである。

もちろん,この三要素が重なった課題もあるので,上図のどの領域の課題なのかを見極めると良い。こうして抽出された課題は,そっくりそのまま整理・分析されたものとなるので,次の課題解決策を検討することに,すぐに繋がる。つまり,各々に応じた解決策を検討することで解決の糸口が見出せることになる。

また,逆にブレーンストーミングなど自由に出された課題を,この三要素のどの領域に入る課題なのかを整理することで,課題分析が自然とでき,解決策の検討を容易にしてくれるメリットもある。(活用事例1)

企業活動は生産性を向上させることによって付加価値を生む。だから,特に人の生産性の観点で見ることは,非常に大切な切り口であり,そこにある課題を整理・分析して解決することは,企業活動をより良くし,付加価値を生む源泉となるのである。それほど難しい分類でもなく,日頃の課題を整理するには,非常に優れたものであることを実感していただきたい。

  実際の活用事例

下図は,仕事上の課題や問題点の原因をいろいろ出し合い,各々の原因がどの領域に入っているかを検討したものである。課題解決の方法に繋がるが,課題が仕組みだけでやろうとしてもムリなことが判るだろう。

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次に示すのは,個人の課題を抽出するために使った例である。個人の特徴を判りやすく表し,何を伸ばし,何を補ったら良いかが,見える化できて非常に説得力がある。また,高いスキルを持った人でも,その役割と重なっていなければ(スキルが活かせない仕事に従事していては),折角の能力が発揮できないことになる。この事例では,Aさんは持てるスキルを活かせるような仕事に就かせモチベーションを高め,Bさんはスキルを挙げることで発揮能力を高め,Cさんは持てるスキルをもっと仕事に活かして貰うように指導するなどに利用できる。

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人の生産性の三要素をいろいろな場面で活用しよう

 

[Reported by H.Nishimura 2013.02.25]


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