■技術の進化 3 携帯電話の進化  (No.615)

技術の進化する中で,携帯電話の進化は目を見張るものがある。いつの間にか,携帯電話(スマートフォンを含む)が生活の必需品に近いほど普及している。電話のやりとりがいつでもどこでも,と思っていたが,今では話す機能だけでなく,パソコンに匹敵する情報端末になってきている。

  携帯電話の歴史

最初に携帯電話が登場したのは,1970年の大阪万博だと云われている。電話線が要らないワイヤレスフォンである。それからアナログ・セルラー方式の自動車電話サービスが日本で開始されたのは1979年である。1985年には,NTTが初のポータブル電話機「ショルダーフォン」を発売した。肩に掛けた電池も搭載した無線機で,重さが約3Kgだったそうである。

その後,携帯電話の普及はそれほど進まず,ポケットベルと云うものが若者に流行した時代があった(1985−95年)。ポケベルは無線の呼び出しで,数字の送信であっていろいろな語呂合わせで,相手にメッセージを送ると云うものであった。後半には数字だけでなく,カタカナ,アルファベットや絵文字が表示されるまでに進化した。

携帯電話が普及し始めたのは,携帯電話端末が買い取り制度となった1994年以降である。1995年には,PHS(Personal Handy-phone System)が開始され,端末や通話料の安さもあって若者を中心に普及した。1999年には,インターネットサービスが始まり,これまでのショートメールに代わり,携帯メール(E-mail)も始まった。その後,カメラが搭載され,写メールも始まった。

第3世代のサービスが2001年から始まり,日本特有のフューチャーフォンとして,テレビ電話が可能となり,パソコンとの融合など,どんどんできることが多くなり出した。

  電話・メール機能としての携帯電話

私が携帯電話を持ち始めたのは,2006年頃で,普通の人より随分遅かった。女房や子供達は既に利用していたが,携帯電話を持つ必要性が無く,且ついつでも,どこでも追い掛けられる方が鬱陶しかったのである。電話する相手もそう多くなく,パソコンを自由に操っていたので,情報などの入手に困ることもなく,パソコンのメールでのやりとりで十分だった。

そうしていても,母親の看病など実家へ帰る機会が増え,行き先でも連絡を取る必要性が生じたので,携帯電話を持つことにした。この頃には,携帯電話の番号が「090−」ではなく,「080−」の番号になっていた。携帯電話としては,多機能な使い方が進んで行ったが私自身は,携帯電話・メールは家族間だけで十分で,友達とは緊急性も少なくパソコンメールで十分だった。

  情報端末としての利用

今では,携帯電話と云えば,スマートフォンを示し,昔の携帯電話を「ガラケー」と呼ばれているが,携帯電話がパソコン同様の機能に進化して行く過程は,自然な流れであり,2,3年前からは完全に情報端末としての利用になってしまっている。

よくよく考えてみると,流行という波は一気に世の中を変えてしまう。一昔前までは,電車の中で本や新聞を読んでいる人が多くいた。ところが,最近では電車の中で,本や新聞を読んでいる人は殆ど居ない。座席に座って,対面に座って居る人を眺めると,10人中9人と云ってもよいほど,殆どの人がスマートフォンを触っている。一番,時代が変わった風景かも知れない。

私のことを云えば,スマートフォンに代えたのはたった1年前で,これも人よりもずっと遅い方である。このエッセイでも述べたことがあるが(スマホの功罪 No.577),女房がスマホに代える必要性が出てきたので,同時に私も切り替えただけで,私自身は,パソコンとガラケーの利用で,両者を上手く使い分け,何一つ不自由は無かったのである。

ただ,スマホの進化も早く,容易に便利に使えるようになってきており,我々世代でパソコンを自由に使えない人でも,スマホを利用することで,随分利用する範囲が拡がってきている。LINEでのやりとりなどは,即時性にすぐれ,グループでおしゃべりしているように使え,女性陣には打って付けのものになってきている。女房がスマホに代えたのも,友達とのLINEでのやりとりが必要不可欠になったためである。

 

携帯電話は世の中を変えた!!

 

[Reported by H.Nishimura 2019.02.11]


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