■植物の成長を見ながら考えること  (No.487)

庭の草木がどんどん成長している。そんな様子を見ながら感じたことを述べてみる。

  成長の著しさ

猫の額ほどの小さな庭に,菊の鉢が一面に拡がっている。趣味である菊作りについては既に述べた(本質を究めるNo.18)ので,今回は他の植物について述べてみる。野菜作りにも関心があり,深いプランタンに茄子,キュウリ,トマトを植え,毎朝の収穫を楽しんでいる。4月に園芸店で苗を購入し育てたもので,スーパーで売っているものとは比較にならず新鮮である。その上無農薬で作っているので,虫などが付き,見映えは悪い物もできるが,味はやはり取れたてのみずみずしさが格別である。

庭の草木の成長はどんどん進み,特に雑草の茂りは目を覆いたくなるように伸びてくる。種を撒いた訳ではないが,自然に生え,庭をいつの間にか覆い尽くす勢いである。ゴーヤを数年前から日よけに作り始め,その成長はあっと言う間に二階まで届く。日よけ目的だったが,実も採れだし毎年150個以上も採れ,自宅では食べきれず近所にお裾分けしている次第である。今年も,間もなく採れ始める季節である。(下の写真は昨年のゴーヤの様子)

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  太陽・水・肥料のバランス

植物の成長に,太陽は欠かせない。同じゴーヤでも,日当たりの違いで成長が大きく違う。日当たりが一日中あるところは,成長も早く,花も付きやすい。一方,同じように植えたものも日当たりが午後だけのところは,花の付きも悪い。もちろん,これだけ大きく伸びるのだから,水も十分必要で,晴れの日には毎朝夕の水やりは必須である。さらには,肥料もある程度やらないと,大きくは育たない。

太陽は自然現象なので,植物には十分当たることが必要で,植物に依っては真夏の陽射しは強すぎて,日よけをした方が良いものもある。一方,水と肥料はその加減が難しいものもある。ゴーヤはどちらかと云えば,根をしっかり這わすものなので,過多でもそれほど弊害は無いが,植物によっては水の過多では根腐されを起こすものもある。肥料も,ある程度は必要だが,これも過多になると病気を起こす危険性がある。

特に,菊の栽培はその中でも難しく,水やりだけでも数年の経験が必要とされている。適量の水分を与えるには,それだけの経験が必要なのである。肥料も同様,成長期には適量な肥料が必要であり,花が咲くときには,肥料が残っていると花腐れが起きやすく,肥料を抜かなくてはならない難しさがある。

野菜や草花を育てた経験のある方はよく判っておられるが,太陽・水・肥料のバランスが,それぞれの植物によって違いがあり,更には,肥料も,窒素・リン酸・カリの配合が植物によって違うので,名人が作ると,実が一杯できるのに,素人が作ると実が少なく,小さなものしかできないのはよくある話である。このように,植物ほどバランスよく必要なものを与えないと,出来映えが大きく違ってくるものはない。つくづく感心させられる次第である。

人間の成長に必要なものは,そしてそのバランスは?植物の育成から学ぶことも多い。

 

植物ほど,必要なもののバランスが重要なものはない

  

[Reported by H.Nishimura 2016.07.25]


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