■格差社会 2 (No.079)

格差を自らの力で何とかしようと考えることは大切なことである。格差社会に不満を持つことは悪いことではないが,それだけで終わってしまうようでは後で取り返しがつかないことをしたことを悔やむときが必ず来る。そうならないために,不平不満で不安感を募らすのではなく,正しい危機感を抱いて欲しいことを前回述べた。不安感と危機感は大きな違いである。(No.77 危機感と不安感)つまり,きっちりとした目標を定めて,危機感を持ってことにあたることが大切なのである。

これも前回述べたことであるが格差社会は現在の世界情勢からして生まれるべくして生まれたのである。ただ,同じ日本の社会の中にあって,余りにも理不尽な格差は許されるものではない。特に,一生懸命働いても働いても,やっと生活できる仕事にしか就けない人に対しては何とかして欲しいものである。後述するように政府でも,手を差しのべる策を検討中である。同じ日本人として,そうした不遇の人にやる気が出るような手助けをすることを何とかして実現したいと思う。

ささやかながらそうした思いは強い。できるだけ機会均等,特にやる気のある人にはそれに報いることができないかと考えている。このホームページもその一つである。私がこれまでいろいろ学んできたノウハウをできるだけ多くの人に伝え,利用して貰おうと思っている。もちろん,こうしたノウハウを売り物にすることもできる。また,それだけの価値を提供する自信も持っている。でも,売り物にしようとすると,結局は裕福な人に有利にそのノウハウは伝授され,裕福でない人には伝授されにくくなる。だから,敢えてノウハウを惜しみなく出すことによって,誰もが差別なく,このホームページを見て学ぶだけで,書店で並んでいるベストセラーの本よりもずっと中身のある内容を紹介したいと思っている。

紹介したからと云って私のノウハウが減るわけではない。常に私に接する人にはそう言って,ノウハウの全てをお教えしている。日本の若い人が少しでも私から伝授されたことを利用して,仕事に,或いは生活に活かして貰えば良いのである。出し惜しみして伝授できないよりはずっと良いと思っている。ただ残念なことは,なかなかこうしたホームページだけでは伝授しきれないことである。隠すつもりは全くなくても,情報として伝わる内容はこちらが思っていることの70%もあれば十分と思っている。やはりきっちり伝えるのは対面で1対1がもちろん一番良いのに決まっている。何とかそんなチャンスができないかと願いながらこのホームページのエッセイを書いている。

大袈裟な言い方かも知れないが,弱者救済できれば,それに越したことはない。ただ,弱者でもやる気のある弱者である。あきらめと云うか,若い人でも自分の生活に困らないお金を貰うだけのために働いて居る人も中には居る。そうした人は同じ弱者であっても,なかなか救いようがない。いわゆるやる気がない人である。馬を水場に連れて行って飲まそうとしても飲まない馬がいるように,水を飲もうとしない馬に無理やり口を開けて飲ませてもそれでは意味がない。水を飲みたいと思っているが飲み場が見つからない馬を水飲み場に連れて行ったり,或いは水飲み場への道を案内することである。馬に喩えて失礼だが,若者への接し方をそのように考えている。

格差是正に対して国の動きもある。その一つが,「ジョブ・カード制度」である。

  「ジョブ・カード制度」

これは,職業訓練の機会の少ないフリーターや母子家庭の母親と云った人たちの就職活動を支援しようとする制度である。2008年4月よりスタートしており,3年間で20万人,5年間で40万人の人がこの訓練に参加すると想定している。

このような制度が現状の問題点を解決する施策として,具体的に動き出しているが,まだまだ広く知れ渡っている訳ではない。しかし,このような動きが行われようとしていること事態は一つの契機であり,単なるパフォーマンスに終わらず,大きな流れをつくり日本の若者,或いは働きたいと願っている人に希望を与えてくれることを期待する。大手企業だけが会社のイメージアップを図るために,こうした制度を活かしている見せ掛けにして欲しくない。またこうした制度を利用して頑張って正社員に登用される人が良い道筋を付けて欲しいものである。先駆者が上手く成功するか否かは後に続く人に大きな影響を及ぼす。是非,本当に働きたい人にチャンスを与え,働き甲斐のある日本社会をつくる制度として定着して欲しいものである。

ジョブ・カード制度の詳細は,以下に詳細な内容がある。

 厚生労働省 「ジョブ・カード」のご案内

 首相官邸  ジョブ・カード構想委員会 −最終報告−

 

[Reported by H.Nishimura 2008.08.11]


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