■課題解決法3 PDCAを廻す

PDCAは業務を継続的に改善するために使われるサイクルであるが,プロジェクトにおける進捗管理など,定期的にチェックしながら進み具合を確認する方法にも用いられるものである。ここでは,PDCAサイクルを課題解決に繋げよう。

  PDCAとは?

PDCAサイクルは企業活動で,日常茶飯事と云っても過言ではないほどよく使われている。下図に示したように,P(Plan:計画)→D(Do:実行)→C(Check:検証・評価)→A(Action:改善・見直し)を一サイクルとして,業務改善などに用いられている。つまり,計画したことを実行して,それが確実にできているかどうかをチェックして,次のサイクルに繋げようとするもので,改善活動など継続して行う業務には適したやり方なのである。

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また,PDCAのサイクルは,現状(Input:入力)から,業務プロセス(PDCAサイクル)を廻すことによって,改善目標(Output:出力)に近づけようとする活動であり,下図のようなマネジメントサイクルで示されることもある。PDCAサイクルはInputをOutputに変える,即ち,この業務プロセスで付加価値を付けるものである。

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PDCAサイクルは,一周してまたP(計画)に戻るが,平面的にはそのように示されるが,実際の物事は,同じ所に戻るのではなく,一段上のレベルに上がった状態で,次のサイクルが始まる。つまり,改善目標は必ずしも1回のサイクルで到達できるものではなく,何回かスパイラルに近づいて行くものである。(下図を参照)

このようなスパイラルに目標に近づいていくやり方が確実な歩みであり,結果だけで善し悪しを判断するのではなく,こうしたプロセスを通じて,学習を繰り返し,課題を確実に解決できる進め方なのである。

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  PDCAがなぜ課題解決に有効なのか

このPDCAサイクルがなぜ,課題解決に有効かと云うと,そもそも業務改善など,改善目標に必達するための方法であり,このことは即ち,現状から目標のギャップである課題を乗り越えて,目標に近づこうとすることと同じことである。つまり,課題解決の一つの方法として,PDCAサイクルが用いられるのである。

特にPDCAは業務プロセスの改善に注目され,プロセスを改善することで,目標に近づこうとする方法であり,このプロセスを改善することは,改善された内容がプロセスとして定着することを意味しており,次のステップでは改善されたプロセスに則って業務が行われることを意味している。課題解決も同じで,改善された方法が定着すれば,同様の課題は容易に解決に導かれることになり,次からは大きな課題にならないことになる。

また,このPDCAサイクルの優れたところは,常に計画(P)を立て,実施した(D)ことに対して,検証・評価(C)を行い,改善・見直し(A)を図ると云う一連の動作にある。結果が良かった悪かったの判断だけでは,計画的に物事を進めることができず,計画と実行だけでは,常にリセットされて計画されることになるので,これも目標に徐々に近づくような積算された結果にはならない。つまり,PDCAと云うサイクルが廻ることが大切であり,その有効性から,プロジェクトマネジメントの進捗管理方法として,課題解決のプロセスとして活用されているものである。

PDCAサイクルを有効に廻してみよう!

 

[Reported by H.Nishimura 2013.03.11]


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