■課題を解決するには?
課題を抽出したら,次は,その課題を解決しなければならない。一般的には,課題を上手く抽出できれば,解決することは容易だとも云われている。また,課題が与えられれば,解決することは得意だと云う人もいる。
課題の背景を知る
課題を解決するには,先ず課題とされた背景があるならば,それをよく理解しておくことが必要である。その背景の中に,応えが隠されている場合がある。なぜ,なぜと問い掛けて,課題を抽出されたのであれば,その経緯を知り,周囲の状況を把握するだけで,解決への道筋は大きく違ってくる。
一般的には,課題の抽出・分析・解析,そして解決策へと一連の流れになることが多い。当然,分析や解析も同一人物がやっている場合は問題ないが,他の人が分析や解析に携わったのであれば,そうしたデータを集め,それらの内容を十分に理解しておくことが大切である。分析や解析は解決策と切っては切れないものである。逆に云えば,分析や解析が解決には必要不可欠なものである。
目標を見失わないこと
課題は現状と目標のギャップであり,課題を解決する(乗り越える)ことは,目標に近づくことである。したがって,その目標をしっかり見定めておかないと,目の前の課題だけに注目して,行く先を見失うようなことがあってはならない。あくまでも,目標に近づくことがゴールへの道なのである。
課題といえども,環境の変化で見方が変わってくる。それは外部環境の影響もあれば,内部環境の影響もある。このような周囲の変化は絶えず起こりうることである。変化によっては,課題が大きくなったり,小さくなったりすることがある。そこで大切なことは,目標を見失わないことである。一度計画した解決策であっても,環境変化でゴールへの新たな道が拓け,それがベターと判断したら,計画に固執せず,変化に対応した解決策を選ぶのが本来の道である。
手法に溺れず,目的を果たすこと
いろいろな解決策・手法を覚えると,つい使いたくなるものである。いろいろな手法を使う経験することは大切なことで,どのように活用するのが適切なのか実感して欲しい。上手に使いこなすまでは,多少時間が掛かるが,経験しないといつまでもできないので,いろいろチャレンジして欲しい。ただ,無闇に手法を使って,手法を使うことが目的化するようなことがあってはならない。
解決策や手法は課題を解決するツールの一つに過ぎない。だから,そのツールを上手に使って欲しい。抱えている課題を解決するに最も適切なツールを活用して欲しい。
次から,どのような解決法があるか,順を追って考え方・方法などについて解説してみよう。
[Reported by H.Nishimura 2013.03.04]
Copyright (C)2013 Hitoshi Nishimura