■プロジェクトマネジメントの応用 7(ソフトウェア開発編)

  ◆開発方針,QCD目標などを設定する

  @ プロジェクトとしての方針などを明確にする。

プロジェクトリーダとして,本プロジェクトを進める基本的な方針を明確にさせ,メンバー全員と共有しておくことが重要である。
その元となるものとして,中長期計画,或いは事業計画としての方針などと連携が取れていること,或いは,上位方針として示されているもの,プロジェクトのスタートに当たって,幹部から示された方針などがあれば,これも明確にしておくことが必要である。
QCDで特に最優先すべきものがあれば,それを明確にさせておく。

  A スコープ(範囲)を明確にして,QCDの目標を設定する。

プロジェクトはそのスコープ(プロジェクトの範囲),そしてそれをQCDとして,どのような目標で進むかで,取り組み方も大きく変わる。したがって,このQ(品質),C(コスト,費用),D(納期,完成日程)を最初の段階で明確にして,コミットメントする必要がある。
目標は,必ずしも製品仕様としての目標値ではなく,プロセスとしての目標値など製品品質を確保する意味での目標値であっても良い。
CMMのレベル3を目指すなど,プロセス目標を設定することでも良い。ただ,お題目だけで,続く具体的な施策が無いものでは意味が無い。

  B 理想目標ではなく,実現可能な目標を設定すること。

目標設定するとなると理想に近い値を想定するが,そうではなく,前機種での実績値からの改善目標値など,実現可能な範囲での目標値としなければ,真の意味での目標値とならない。
もちろん,最初からできないから妥協するとあきらめるのではなく,理想の目標値を目指すことは今すぐ,今回のプロジェクトでは実現不可能でも,次回のプロジェクトでは必ず達成させる,など理想の目標値に近づく努力は 怠らないこと。
目標の設定した根拠を明確にさせておくことは重要なことで,実績と比較して差分があったときに,何が原因かを究明するときに役立つことが多い。

 

[Reported by H.Nishimura 2011.05.29]


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