■プロジェクトマネジメントの内容 7(解説編・計画)
◆予算を立てる
1.「予算を立てる」ことはプロジェクト・マネジメントでは重要な仕事である
プロジェクトの要素の一つにコストがあるように,コストが管理された状態でなければならない。その前提となるのが,予算であり,予算に対してコストが管理されることになる。
2.最初に必要なことをはっきりさせておくこと
プロジェクトが進んでから,いろいろな意見を言うのではなく,最初の段階で必要な予算ははっきりさせておくこと。予算の大きな部分は,人件費=月当たりの費用×掛かる月数×メンバー数,及び活動費である。外部委託する場合は,予め見積を要求し,これも予算に入れておくこと。
3.見積を狂わす要因
見積は当初の予定から狂うことが間々ある。その要因を挙げておく。
- 見積り時期と顧客のニーズ,或いは仕様を確定する時期のタイミングのズレ
- 過去のデータの信憑性を検証することなく安易にそれらを適用したり,プロジェクトに対する経験,精通度が低く,コスト項目を詳細レベルで特定できないなど,未整備,未熟なことに起因する (見積もる側の要因)
- プロジェクトの実施中の変化,変動に見積りが追従できていないこと
- 営業部門が政策的に決めた概算見積りなど(政治的な要因)
4.見積り精度を上げるには
見積り精度を上げることは,プロジェクトを計画する段階で非常に重要なことである。次のようなポイントで精度アップを図ることができる。
- スコープが客観的に理解できているかどうか顧客と擦り合わせる
- 不確定要素を客観化し,リストアップする
- コストを構造化して概算で見積り,計算根拠,前提を書き出す
- 情報が収集できた時点で詳細見積りを行う
- 顧客と明確化する作業を繰り返し不確定部分を潰していく
- 正式見積りの検証を技術者,社内承認者を含めたチームで行う
- 残った不確定要素に対して前提条件とブレ幅を顧客に承認させる
- スコープの変更が承認された時点で見積りを更新する
参考文献:「先制型プロジェクトマネジメント」 長尾清一著
[Reported by H.Nishimura 2009.07.30]
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