■ウクライナ問題3 (No.718)
ウクライナへソ連が侵攻して1年になろうとしている。2,3カ月で結着がつくかと思っていたが,ここまで長引いているのは何だろう?
当初の見方と現状
明らかに,ロシアが一方的にウクライナの領土に攻め入り,暴挙を振る舞っており,多くの国がロシアを非難し,各国がロシアへの制裁を課して,ロシアが行き詰まるだろうと思っていたが,世間の非難をモロともせず,プーチンが一向に攻めるのを止めず,ウクライナの領土の南方の4州ほどを占拠し,住民投票まで行い,ロシアの領土と一方的に宣言してしまっている。
ウクライナ側も手をこまねいているだけでなく,NATOからの援助を受け,反転攻勢に出ており,均衡状態?になっているようである。マスコミの報道でしか判らない我々には,本当のことはよく判っていない。ロシア軍は兵隊を徴兵し,増強しているが,俄に集めた軍隊は,思うようには機能していなく,戦死者だけが増加しているようにも見える。
プーチンの指揮命令が十分に伝わっていないような報道もあるが,ロシアの内情は不透明で,何が本当なのかよく判らない。報道だけで知る限りでは,プーチンは恐ろしい人である。よくもまあ,これだけの戦死者を出しながら,未だに終結をさせようとする意図さえ見えないのは,どうした神経の持ち主なのだろう。祖国を大事にする気持や,ウクライナでロシア側への思いの強い人々の安全な暮らしを求めようとする気持は判らないではないが,これだけの犠牲を払ってまでやるべきことではない。
21世紀の世の中で,武力を以て他国を攻め領土を拡大しようとすることが,厳然と行われていること自体,非常に由々しきことである。戦争は人々の犠牲を伴うことで,避けるべきことであることは,歴史で十分学んでいる筈である。好んで戦争をしようとする指導者は居ないはずである。にもかかわらずこのような戦争が続くことをどうして世界の指導者は止められないのだろうか?
今後の展開
では,この戦争の行方はどうなるのだろうか?ロシア経済が疲弊し始めており,ロシアから脱出する人も多く,どこかでロシア国民がプーチンのやり方に異議を唱え,戦争反対の運動が大きくなるだろうか?なかなか本当の情報が届かない民衆にあって,民意の高まりが助長されることがあるだろうか?
ロシアの横暴を見逃している世界の指導者の不甲斐なさにがっかりさせられる。しかし,ロシアだけでなく,中国を見ても,習近平は世界の協調よりも自国中心の,自国の利益だけを我がもの顔に振る舞っており,これが世界の指導者なのかと疑いたくなる。もちろん,祖国が第一の気持は,どの国の大統領や首相も同じである。自国が不利益にならないようにするのは,当然のことで,それらを非難するつもりは全くない。
しかし,今のロシアや中国のトップは,自国中心過ぎて,他国を蹴散らしてでも自国の利益を守ろうとする。それも他国を武力で侵攻することも辞さないと云う態度である。こんなリーダが世の中を動かしている以上,世界の平和はなかなかやってこない。大国の強力な指導者が真の世界平和を目指してリーダシップを発揮する世の中は,理想であって,永遠に届かないのであろうか?悲しくなる。
「世界平和を実現する」強力な指導者よ現れよ!!!
[Reported by H.Nishimura 2023.01.23]
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