■岸田政権の優柔不断  (No.714)

岸田政権がパッとしないのは何故か?

  「聞く力」の裏には決断ができない?

岸田総理の昨今の言動では,なかなか自分で決断することが苦手なようである。もちろん,いろいろな背景があって決断することが難しいことは百も承知で言うならば,山際大臣の誠意のない国会答弁に対して,誰もがもうダメだと思っていても,なかなか更迭できず,結果的には山際大臣が世論に押されて,自らが大臣を辞退したことで,決着は付いたが,国民の目線からしても,あの誠意のないマスコミからの追及に屈して,止めざるを得なくなるまで居続けた態度は,如何なものか。

大臣が自ら言うのを待っていたようで,岸田総理自らが更迭するカードを切らなかった。事実上の更迭とマスコミは報道したが,明らかに決断が遅すぎた。任命責任があって,ドミノ倒れの連鎖を避けたかったのだろうが,重要な国会の審議の場をムダな追及の時間にしてしまったことは,政権としてあるべき姿ではなかった。

「聞く力」を前面に出して,安倍・菅政権と違い,民衆の声を大事に,民衆に寄り添った政治を信条とした岸田総理に,大いに期待したが,民衆の声が届くまで決断できない様を呈してしまっている。これでは,本来の「聞く力」を発揮しているとは言い難い。性格的にも穏やかで,丸みのあるように見える岸田総理ではあるが,柔軟性が裏目に出てしまっている。

  柔軟な対応

安倍元総理の国葬の判断の拙速さは,安倍派閥を意識しての判断だったのかもしれないが,国会の意見を聞いてから判断すれば,あのような国民の半数以上が反対するようなことにはならなかっただろう。これが,岸田内閣の支持率の低下に大きな影響を与えた。

さらに,旧統一協会問題でも,関係を断ちきると宣言したまではよかったが,自民党議員に対する内部調査結果から,後出しでボロボロ出ると云う拙さをさらけ出し,国民の信頼を大きく失ってしまった。これらのことも,岸田総理自身の関係を断つとの言葉と大いなる相違をしめしているが,それ以上の決断は何も為されず今日に到っている。

物価高の影響に対して,ガソリン高騰に対する支援や電力料金の値上げに対する支援など,全く手をこまねいているだけで何もしていないのではないが,いずれもモグラたたきのような暫定策で,景気を浮揚させるような根本的な対応策がなかなか出てきていない。

世の中の動向を見極め柔軟に対応できているのかもしれないが,世間の目は柔軟性よりも,一国の総理としての先を見通した勇気ある決断が待たれている。そのままぐずぐずしているようでは,政権の崩壊に繋がる危険性が出てきている。

抜本的な経済政策を!!

 

[Reported by H.Nishimura 2022.11.07]


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