■日本経済の行方 (No.713)
円安,物価高と日本経済が弱っている。
円安が進む
1$=110円だったのが,いつの間にか1$=150円近くに円安が進んできている。その大きなものが,米国の金利値上げに対し,日本は金融緩和を維持し続け,この金利差が大きく影響している。黒田日銀総裁は,今の日本経済状況からは金融緩和維持は仕方ない状況で,金利を上げる時期ではないと明言されている。
日本の賃金はずっと据え置きのまま上がらない状況が続いている限り,経済の活性化は見込めない。企業は内部留保を蓄えているが,将来の明るい見通しが無いから,経営維持の備えとして,賃金の値上げを抑え,新しい投資を抑え,また中小企業への業務拡大などへも廻さず,内部留保を崩そうとしていない。ここに来て,物価高が庶民の生活に大きく影響しだし,賃金の値上げが必至の状況になりつつある。
政府,日銀として円安の進み過ぎを抑える策として,市場介入を繰り返しているが,円の乱高下が続くだけで,恒久的な対策になっていない。余りにも複雑で,円安対策をどうしたらよいか,素人には全く判らない。
物価高の影響
物価の上昇は,ジリジリ庶民の生活を圧迫してきている。毎日の買い物も知らず知らずのうちに,増えてしまっている。極端な値上げは一部のものに留まっているが,どれもが少しずつ値上がりしていて,結果的に生活費が高く付いてしまっていると云うのが実感である。毎日の買い物に付いて行っているとよく判る。
政府は,ガソリン代の上昇を抑え,電気代の上昇に関しても対策を打つようだが,生活物資の値上がりはそのまま放置されてしまっている。消費税を一時的に減税し,経済の活性化を図るとの声も,打ち消されてしまっている。政府は,消費税減税には見向きもしていない。
公共料金の上昇抑制策は,庶民全体に亘る効果的な対策の一つではあるが,焼け石に水のような効果でしかない。物価高を上回る賃金の値上げが必要だが,企業がどこまで内部留保を取り崩して対応するかは疑問である。とにかく日本経済がどん詰まり状態で,なかなか抜け出せない状況がどこまで続くのだろうか?
対応策は?
アベノミクスは,株価上昇を図り,企業を活性化させ,中小企業を元気にさせ,賃金上昇の夢を持たせてくれたが,結果的には無惨にも株価上昇で企業の内部留保は増えただけで,賃金上昇へのサイクルにはならなかった。その株価も,今では下がってきている。
企業を元気にさせ,賃金が上昇するようになれば,日本経済が活性化することは判っている。しかし,そのきっかけとなる大胆な策が見当たらない。岸田総理には期待できそうもない。誰が,今の日本を救ってくれるだろうか?
日本経済の活性化が望まれる!!!
[Reported by H.Nishimura 2022.10.24]
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