■岸田総理の「聞く力」  (No.712)

岸田総理は自分は「聞く力」があり,国民に寄り添った政策を実行してくれるのではと,期待されたが・・・。

  岸田総理の言動

岸田総理は「聞く力」を売り物に首相になった。国民は,民衆の声を十分聞いてくれるだろうと期待していた。しかし,昨今総理は,国民の声を無視したかのような言動が目立つ。それは,「聞く力」とのキャッチフレーズに留まっていて,実行する力が不足しているように映る。即ち,昨今の話題の円高に対する国民の生活不安,旧統一協会問題の煮え切らない態度など,「聞く力」のメッキが剥がれてきている状態である。

  円安・物価高に対する生活不安

110円前後で推移していたドルレートが,今や140円と急激な円安になっていきている。それと共に,ウクライナ情勢の影響もあって,物価の上昇が顕著になってきている。つまり,国民の生活不安が一気に加速されてきている。ガソリン価格に対する上昇を抑制する援助金や,電力料金の高騰を抑えようとする政策など,手をこまねいて何もしていないことではないが,国民の不安解消には十分といえる施策にはなっていない。

もちろん,円・ドルレートは,金利政策,景気の動向で,政府がなかなか手出しをできないことではあるが,先を見通した経済政策など,国民に期待をもたせるようなことが全くできていない。「聞く力」はパフォーマンスだけで,実行に移す力が伴っていないことがはっきりしてきている。

株価の低迷も,日本経済の明るい先が見えないからで,ジリ貧の一途である。日本が元気になる源が断たれてしまっている。円安も,輸出など有利な部分が全くなく,輸入物資の高騰から,物価が軒並みに値上がりしてしまっている。給与は上がらず,物価だけが上昇して生活を困窮させてしまっている。

外国との金利差も差が開くばかりで,黒田総裁の金融緩和策は暗礁に乗り上げてしまっている。今更,金利差を少なくする金利を上げる政策は,今の苦しい経済状況からはとてもムリで,安倍政権以降,黒田総裁の下で,金融緩和策などで株価上昇を確保した時期はあったが,企業の内部留保など,国民の給与へ還元されるルートが閉ざされ,その結果,経済の活性化には繋がっていない。

  旧統一協会に対する態度

自民党として,内部調査で旧統一協会との関連を明らかにし,旧統一協会とは関わりを持たないと宣言はしているものの,調査不十分と云うか,後出しでマスコミに指摘されて関係を認める議員がいるなど,けじめが十分取れていない。大臣に旧統一協会と密接な関係を持て居る人が居ても,見逃すような態度で,国民の声を反映しているとは言い難い状況である。

悪行に対して,宗教法人の剥奪はなかなか困難なようで,被害者救済に努力はされているものの,まだまだ効果は上がっていない。国民をバカにしたような態度の大臣を更迭することもできなく,国民の声を収まるのを待っているかのような歯切れの悪い言動である。「聞く力」はどこへ云ったのかと疑いたくなるようである。

もちろん,総理には任命責任が伴うので,一人の大臣の更迭がドミノ倒しのようになることを畏れているとの報道もあるが,被害救済を重要視するならば,旧統一協会との関連をキッパリ断つ意味で,決断力が問われているように思う。国民もいつまでもこのような状態を許すことはあるまい。

過去,リクルート事件で,自民党が大敗してように,旧統一協会問題で自民党が大敗する再現があるかも知れない。

 

岸田政権の実力が問われている!!

  

[Reported by H.Nishimura 2022.10.10]


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