■安倍元首相事件のその後  (No.707)

安倍元首相が凶弾に倒れた事件から,旧統一協会のことが取り沙汰されている。

  旧統一協会の実態

安倍元首相を襲った山上容疑者が旧統一協会の信者だった母の影響で,旧統一協会を恨み,その協会にメッセージを送り,宣伝していた安倍元首相を襲った背景がマスコミでいろいろな角度から報じられている。総てが判った訳ではないが,旧統一協会の酷いやり方が目に余る。どうしてこんなことが許されているのか,信じられない。

山上容疑者の家族は,母親の旧統一協会への入信によって家庭崩壊させられ,そのことが今回の事件の背景にあることは重々承知できる。もちろん,だからといって殺人を起こすことは許されることではない。しかし,いろいろな家庭で,山上容疑者と同じような境遇に落とし込まれて人がいることも事実である。

素直に考えて,このような反社会的な行為が,今の日本で認められていること自体,非常に由々しきことである。1980年代から,霊感商法など違法なやり方で,信者から財産を吸い上げて問題になった集団である。オウム真理教が反社会的な集団として壊滅されたように,この集団も同様なことが為されなかったのか,疑問である。その理由が,政治家に選挙応援の票を渡す見返りとして,政治家にすり寄っていったようで,安倍元首相が広告塔のように扱われたと同様,多くの力のある政治家が支援している実態が暴かれている。

政治家は同じように口を揃えて,そのような協会団体とは思っていなかったと応えているが,選挙に上手く利用できた事実が明らかにされている。安倍政権下で,旧の統一協会の名称が,「世界平和統一家庭連合」と改められている。霊感商法などの被害者の弁護士団が,名称変更は,隠れみのになると認証をしないように申し入れていたが,安倍政権下の下村文部大臣が変更を認めている。その理由は,黒塗りにされた文面で伏せられてしまっているので,今のところでは判らない。

誰がみても明らかに世間を騒がせ,反社会的に行動を続けているこのような団体を,宗教集団として摘発に到らないのは,どうみてもおかしい。バックに政治家が支援している団体だからなのだろうか?

  被害者救済を真剣に

名称を変え,霊感商法など違法なことはしていない。信者の個人献金だと言い張る協会側だが,現に多くの人が未だに被害にあって苦しんでいる。このような実態を,単に宗教上の信者の献金だからと野放図にしておいてよいものか?協会側は家庭崩壊になるようなことはしていないと主張するが,実態はマインドコントロールされてしまっている信者が行っている行為であり,個人の責任で片付けられるものではない。宗教には献金は付きもので,他の宗教集団も少なからず,献金を受け取っている。

宗教団体だからとのベールを外し,実態がどうなのか,反社会的な活動に結びついているのではないかと,政治家自らが立ち上がって,日本の社会を政治の形に戻す責任はある。及び腰の政治家の目の霞を取り払って,与野党問わず一致団結してこの問題を正面から取り組んで欲しい。

安倍元首相の事件を契機に,正常な日本の姿を取り戻して欲しいものである。

 

[Reported by H.Nishimura 2022.08.01]


Copyright (C)2022  Hitoshi Nishimura