■ウクライナ問題 2 (No.698)

ロシアのウクライナ侵攻が始まって,4週間近くになるが,一向に納まる気配が見られない。テレビで放映される映像を観る限りにおいては,21世紀の現在とは思えない惨状である。人間が行う行為とは思えない非道な振る舞いが行われている。

  ウクライナは必死で国を守ろうとしている

キエフを始めとするウクライナの主要都市を陥落させようとロシア軍が攻撃してきているが,ウクライナは国民が立ち上がって,必死に国を守ろうとしている。ロシアが主張する,ウクライナの中立化・非軍事化を認めてしまえば,ロシアの言いなりになってしまって,ウクライナと云う国の存続が無くなってしまう危険性を孕んでいる。

ウクライナの多くの国民は,ソ連時代のロシアに反感を抱いており,西側の自由な世界に憧れているようである。それを引き戻そうとしているプーチン政権に反対して立ち上がっているのである。同じ国民だった過去の実態から,ロシア国民と戦争しようと思っているウクライナ国民は少ない。同じ同胞として仲良くしたい,或いは親族がロシアに居てわだかまりはないと思っている人は多い。

しかし,人間がやることとは思えない非道なプーチン政権のやり方には憤りを感じている人が少なくない。つまり,ロシア国民は憎くはないが,プーチン政権のやり方に反感を抱いているのである。悲惨な実情を前にして,怒りを感じない人はいない。ただひたすら,戦争のない穏やかな日々を取り戻して欲しいと願っているだけである。

好んで戦闘に加わっている人は殆ど居ない。自分の家族の安全を守るために,ウクライナの独立を維持するために,必死に立ち向かっている人々である。

  武力行使で抑え込もうとするロシアに未来は無い

今回の戦争の発端は,ロシアの力づくでの国の拡大構想である。歴史的には同じ国だったこともあるが,ウクライナは列記とした独立国である。その国を武力でもって,自分の領土にしようとするプーチン政権のやり方は,時代錯誤も甚だしい。しかし,プーチンの描く,よきソ連邦時代の復活は,21世紀にあっては為されてはならないことなのである。

武力で抑え込もうとすれば,多くの血が流されることは必至であり,それをやってのけようとするプーチンの暴挙は,世界中の殆どの国から反感をかっている。ロシアを助けようとする国は極一部で,多くの国が戦争という手段ではなく,経済制裁という対抗手段で,立ち向かっている。まともに武力で戦おうとすれば,第3次世界大戦に到ってしまうことが判っているからである。

多くの戦略家たちが口を揃えて言っているのは,ロシアの崩壊が少なからず起こるだろうと云う。例え,ロシアがウクライナを制圧したとしても,ロシアに未来は無く,落ちぶれて行く道を歩んで行くしかないのである。もし,プーチンが冷静な判断をできるのであれば,非を認め,停戦するであろうが,プーチンの廻りに助言する人が居なく,暴走を止めることは今のところ不可能に近い状態である。

世界中の多くの人が,プーチンのやり方に批判的である。しかし,プーチンを止めることは誰もできない。独裁国家であるロシアであるため,ロシア国民の戦争反対の声も届かない。国民の意思を国家権力によって歪めさせて,正常な認識ができないようにさせているロシアは恐ろしい国である。独裁者の末路は決して穏やかなものではない。

21世紀にあってはならない暴挙が行われている!!

 

[Reported by H.Nishimura 2022.03.21]


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