■衆議院総選挙 結果 (No.689)

岸田内閣になって,初めての衆議院の総選挙が行われた。4年ぶりの総選挙で,コロナ禍では初めてである。野党共闘で一本化して自民党に挑んだが,結果的には思うほど伸びず,自民党が単独過半数を維持する結果で終わった。

  安倍・菅政権の検証

岸田内閣発足後,即座の衆議院解散により,岸田内閣の実績評価は殆どできず,安倍・菅政権の検証でもあったが,菅総理の不人気も岸田新内閣で消され,自民党の議員低減が意外と少なくて済んだ結果となった。ただ,一部では,甘利幹事長が小選挙区では敗れ,石原派閥の党首が落選するなど,自民党への批判も目立った。

しかし,全体的には自民党が減ったとはいえ,単独で過半数を確保したことは,岸田政権の安定には大きく寄与したことになった。野党共闘化で一本化されたように見えたが,結果的には立憲民主党も議席を減らし,国民からの期待が思っていたほど結果に繋がらなかった。自民党の批判はするが,それに代わる政権を担うような支持基盤には程遠いものだった。

これで安倍・菅政権がやってきたことが認められたとは言い難いが,一時の惨敗ムードは払拭された。野党が今一つ頼りなく,自民党に任せておけない気持はあっても,やり場のない選挙だったようにも感じられた。

  維新の躍進

そこで,野党共闘とは一線を画した日本維新が,大阪中心とはいえ,大きく躍進した。これは,自民党批判するばかりの野党とは違い,政治改革を前面に打ち出したことがある程度効果を発揮したが,一番大きく影響したのは,やはり吉村大阪府知事のコロナ対応を中心とした活躍が,国民の心を打ったと思える。特に,大阪では,小選挙区の候補者全員が当選すると云う快挙だった。

野党第2党に躍進し,議案提出ができる党となり,政治改革を唱え続け,実行している地方自治での実力を,国会でも大いに発揮し,国民の声を反映して貰いたいものである。

 「聞く力」の発揮

岸田総理は,「聞く力」が特長だと自慢している。車座でのパフォーマンスもマスコミでは報道されている。しかし,国民の声を聞くことは政治家であれば少なからず心得ていることである。それを敢えて言い出すのは,ノートなるものを持ち出して,記録しているなど,パフォーマンスは十分であるが,本当に自身の行動に反映できているのだろうか?

聞いて書き留めるだけでは意味がない。他人の意見を真剣に受け止め,それに自身の考えを十分吟味し応えてこそ,初めて他人の意見を聞くことに繋がる。いろいろな意見を聞き,聞き流しているだけでは,やがて信頼も薄れてゆくだろう。身近なことから,確実に「聞く力」が十分に反映されることを願う。

岸田内閣の実力は未だ不明である。菅内閣よりも良くなることは期待するが,どこまで実行して効果が現れるか?受け答えを見る限りでは,酷かった菅前総理よりもましで,期待がもてる。お手並みを拝見しよう!!

岸田内閣の実力や如何に?

 

[Reported by H.Nishimura 2021.11.01]


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