■自民党総裁選挙  (No.687)

菅総理が退陣し,自民党総裁選挙が行われている。4氏が立候補し,お互いに主張を訴え,票の確保に勤しんでいる。

  次の総理に誰が?

今回の総裁選挙は,次の総理大臣を選ぶ選挙でもある。抜きん出た候補がおらず,接戦になると予想されている。国民の人気では河野氏がトップだが,党員の票と国会議員の票の合計で決まるので,1回目の投票で過半数が得られなければ,上位二人の決選投票になる。この場合には,党員票と国会議員票が同数ではなく,党員票は1/3に減らされ,国会議員の投票が有利になる。

こうなった場合,派閥の締め付けが強くなり,派閥からの押しの強い人が有利になる。しかし,今回は派閥の締め付けは弱く,少なくとも1回目の投票は自由投票になるようである。良い意味で派閥政治から脱却できる良い機会である。派閥政治は古き長老の意志が反映され,長きに亘る安倍・菅政権の弊害が再来する可能性を秘めており,古い体質のまま残ることになる。

今,自民党に必要なのは,長老支配の古い政治から脱却することであり,派閥によって選ばれた総裁は,長老の顔を伺った,忖度がまかり通る活性化のないものになってしまう。これを嫌っている若手国会議員も多いと聞く。

政策論争が始まっているが,その裏で派閥間での駆け引きが行われているようである。これでは,刷新した総裁が誕生するとは言い難い状況でもある。連日,候補者の得票予想がされているが,変動も大きくどこまで信用できるものか疑問でもある。

  総選挙が控えている

今回の選挙は,単に自民党総裁,そして総理を選ぶだけに留まらない。それは,直後に衆議院議員の総選挙が控えているからである。つまり,国会議員の多くは,自分が当選することが最優先課題であり,そのためには,国民に人気のある人が総理に選ばれて欲しいと願っている。菅総理が退陣に追い込まれたのも,菅総理では総選挙で,自民党が大敗する畏れがあったためである。

菅総理の退陣を歓迎している若手議員は多い。そこで,次の総理には国民に人気のある人で戦いたいとの思いが強い。果たして,思い通りに総裁選が進むかどうか,微妙な段階にきている。新総理の顔で,自民党として国民に支持を得られ,それによって議員確保したい願いがどこまで届くか?

 

新総理には,新しい日本を目指して,派閥を一新するような人になってもらいたい!!

 

[Reported by H.Nishimura 2021.09.20]


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