■東京オリンピック(2020)終わる (No.684)

17日間の東京オリンピック(2020)が終了した。金27個,銀14個,銅17個で堂々3位の成績を収めた。目標金30個には届かなかったと云うが,予想外の獲得数字だと思う。他方,新型コロナ感染者は増大し,全国で15000人,東京でも5000人を超える感染者が出て,異常な状態に陥っている。

  アスリートの活躍

開会式翌日から,メダルラッシュが続き,特に,最初の柔道でこれまでの屈辱を晴らす金メダルで勢い付いた。そうかと思っていると,スケートボードで名前も知らなかった若い選手,特に女子は10代が金メダルを獲るという偉業を成し遂げたのには驚いた。昔からのオリンピック種目の感覚からは違った若者向きの競技で,技の難度もよく判らないまま観ていた。

水泳は,記録が振るわない中,大橋悠依選手の400mと200mの個人メドレーの金メダルは見事だった。個人の努力はもちろんのこと,勝負に拘った戦略を駆使した戦い振りは賞讃に値するものだった。

陸上も全体的には振るわなかったが,3000m障害の三浦選手や,1500mの田中選手,それに10000mの広中選手など,メダルには届かなかったものの10代の若い力を存分に発揮した感動を与える走りだった。

卓球は混合ダブルスで中国ペアを倒し,金メダルに輝いたが,男女共,中国の壁は高かった。バドミントンはメダルを期待されていたが,期待外れの結果に終わってしまった。

意外に活躍できたのが,女子のバスケットボールで,今までメダルには程遠かったが,今回はアメリカに次ぐ銀メダルに輝き,スピードと3点スローを駆使した戦い振りは,目を覚ましてくれるものだった。これまで,バレーボールに比べ,日の当たらなかったバスケットボールに明るい将来を見せてくれた。

その他,金メダル27個を各々述べることはできないが,各々の日頃の努力が報われた輝かしいもので,批判が多かったオリンピックであるが,アスリートの活躍には我々に勇気と感動を与えてくれる素晴らしいものがあった。

  新型コロナ感染者の異常

その一方で,新型コロナ感染者は,異常に増大し,何の施策も打てないまま見過ごしている政府の対応には腹立たしかった。安心・安全のオリンピックを謳い文句に,オリンピックの中での感染拡大は防げたが,オリンピックに浮かれたままの周辺の感染拡大には,打つ術が無く被害を拡大させる一方で,まだまだ感染拡大の増加を止めることはできていない。

東京で1000人でも多いと感じていたが,今では悠々4000人を超える感染者が出ても,重症者数が少ないと,問題点をすり替え,打つ手の無い無策を庇おうとしている姿が見苦しい。新規感染者の増加は,それに伴う重症者数の増加に繋がることを判っていながら,病床が逼迫すると,重症者のみの入院にしようとする後手後手の施策に呆れ返る。

こんな政権は素早く退いて,国民に期待を持たせる政権へ移行して欲しいと願うのは私だけではあるまい。菅総理の昨今の言動は末期状態も良いところである。そのまま政権を続行させようとする,自民党の古い体質の幹部も一掃して欲しい。難しい舵取りは十分理解できるが,国民感情を逆撫でするような言動にほとほと嫌気がさしてくる。

オリンピックの後遺症とも云える感染拡大の傾向は,いつ止めることができるのだろうか?ロックダウンは日本では難しいと云われているが,この異常な状態を打破するには,ロックダウンに似た緊急事態を国民に呼び起こす強いリーダシップが求められているのではないか?菅総理では,ムリである。

オリンピックも終わり,異常事態の収拾を早急に!!!

 

[Reported by H.Nishimura 2021.08.09]


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