■新年を迎えて (No.669)
新年のめでたさよりも,新型コロナの感染拡大におののく年明けである。
昨年(2020年)を振り返って
昨年一年は,新型コロナの話題一色に染まった災害の年であった。1月末から中国での新型コロナ発生のニュースから,間もなく日本での感染者が出始め,クルーズ船が寄港,その中で感染が拡大し,対応が後手後手にまわり,さらに有名人にも死者がでるなど,人々を恐怖に貶めた。感染拡大は一気に世界中へと拡がり,欧米での感染者が,日本とは桁違いに大きい報道がなされた。
緊急事態宣言が発出され,学校も一斉休校になるなど,今までに経験したことのない事態が目の前に現れた。いつ収束するのか判らない中,人々は不要不急の外出を控え,街行く人々が消えてしまったパンデミック状態に陥った。季節が夏に向かっていたこともあってか,第1波の山は大きくならずに一山を越したかに見えたが,直ぐに第2波が押し寄せてきた。この頃になると,新型コロナの感染実態も把握できるようになり,コロナ慣れとも云うべきコロナの怖さが判り,若者を中心に,Withコロナ的な,コロナ禍の中での生活が始まってきた。
しかし,第2波は第1波より山が高く,感染者数の増加は早まって行った。第2波を抑え込まない中で,冬場に向けた第3波が襲ってきており,そのピークを抑え込めずもがいている中で,年が改まった。要は,2020年と云う年は,オリンピックも延期され,多くのイベントが行われず,新型コロナの対応に追われた一年であった。こんな経験は70年生きてきた中で,全く初めての経験である。
政治も,安倍内閣が任期を待たず辞任し,菅内閣が誕生した。その経過も,派閥の争いの中で,残ったクジを引いた格好でのピンチヒッターであるが,3カ月も経たずに支持率は急落,発言力は国民に届かず,コロナ対応の後手後手の様は呆れ返るほど酷いものである。総理大臣の体を為していない有様である。
新年を迎えて
ワクチンの開発はできたが,未だ日本には入って来ておらず,また新型コロナに有効な薬も見つかっていない状態で,他方,感染者は爆発的に増大してきた,年明けの様態で,緊急事態宣言の発出で始まった年である。ここでの話題も,まだまだ暫くは新型コロナ対応一色の感が否めない。
東京都とその圏内の3県が緊急事態宣言の対象だが,大阪府中心の関西圏も要請が出ており,緊急事態宣言の対象が広まることは必至で,経済への打撃は年明け早々大きなものになることは間違いない。冷静に感染状況の実態を眺めてみると,多くの県で,過去最大の感染者が続出しており,感染が大都市だけでなく,地方にも浸みだしており,全国的に余談を許さない状況になってきている。
政府の優柔不断な態度は一向に改まらず,緊急事態宣言が1カ月間とされているが,出口の戦略も曖昧で,専門家からも1カ月で終わることは無いとクギを刺されてしまっている。多くの見方は,2カ月間は継続されるだろうとされている。病床の逼迫は日毎に酷くなり,重症者や死者が増加することも間違いなく起こってくる。
そんな中,経済が疲弊することが明確になっていながら,株価だけは30年振りの高値で推移している。アメリカの株価が上がっていることに比例しているが,貧富の差が益々拡大すると予測されている。アナリストの予測でも,今年はこのままの状態で推移するとの予測が出ているが,経済の実態が明確になってくれば,このままの状態が維持されるとは思えない。リーマンショックのようなことが起こっても不思議ではないのである。
とにかくこの一年,ワクチンが出回り,その効果が出始めるまでは,堪え忍ぶ前半にになることは間違いない。オリンピック開催も危ぶまれる,否,延期か中止になる公算も今の状態では大きいのではないだろうか?
私生活では,終活もそろそろ真剣に行わなければならない一年となりそうである。
新型コロナ感染の収束が一日でも早く待たれる!!
[Reported by H.Nishimura 2021.01.11]
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