■菅内閣支持率低下 (No.667)
一部の報道では,菅総理の支持率が50%を切って,不支持率の方が上回ってきたとのことである。当然の結果だと言えよう。
決断が遅い
新型コロナの感染者拡大が止まらない。全国各地で,過去最大の感染者が出てきている。流石,札幌と大阪は感染者の多さに,Go-Toトラベルの発着を一時的に停止させ,また飲食業の時間制限を実施し,感染者拡大をくい止めようとしている。国民の心理からも,当然の決断で,何とかしたいと云う思いが伝わってくる。
それに対し,菅総理はGo-Toトラベルは感染者拡大に影響していると云うエビデンスが無いと言い切り,専門家会議からもGo-Toトラベルの一時停止要求にも耳を傾けず,気にしているようだが経済的な面を重視した口ぶりで決断を延ばしてきている。さらにネットTvなどで,のんきな発言に,苦言を呈する報道も増えてきている。
スピード重視という言葉とは裏腹に,重要なことの決断を先延ばしにして,様子見のところが目立つ。二階幹事長の顔を伺いながら,コロナ対策よりも経済を優先させているきらいがある(漢字では嫌いと書くようだが・・)。そうした傾向があると云う傾きの方がしっくりする。確かに,コロナ対策と経済対策は相反する一面があって,アクセルとブレーキに例えられるが,Go-Toトラベルのように,感染拡大が顕著なこの時期に,税金を使ってまでやるべきことなのか,一時中断すべきではないかと考えるの尤もなことではなかろうか?
国交大臣やコロナ対策大臣に任せているような口ぶりで,決断ができない総理の姿は見たくもない。
考えが伝わらない
一番気になるのは,何をどうしようとしているのか,自分の言葉で国民が納得できるような説明が一切無いことである。口数が少ないのは性格そのものかも知れないが,重要なことはやはり自らの口で語り,国民によく判るように説明することである。どうもこの点に関しては,官房長官時代のままで,一国の総理としての役割を果たしていないのではなかろうか。
学術会議の問題から一貫して,同じ事を繰り返すだけで,国民が十分納得していると感じておられるのだろうか?自分の意志を曲げない強さは何となく伝わってくるが,総理としての熱意が感じられず,事務的に処理する役人の親玉のような感じでしかない。官房長官からは脱して,一国の総理として,自分の思いを自分の言葉で熱く語って欲しいものである。これが今の菅総理に一番欠けていることである。
当初の予想通り
いろいろ言ってみたが,やはり当初の予想通り,一国総理の器では無いと云うのが素直な感想である。決めたことは素早く徹底的にやるところは十分認めるが,全国民を引っぱって理想に向かって突き進んで行くタイプではなく,できることを堅実に遂行するタイプである。したがって,自分の思いと違ったことには,有耶無耶にして時を稼いで,静まるのを待つ方を選ぶ。そして,世論に対しても自分の思いの方に強引でも納得させ,みんなを引っぱろうとすることはできないタイプである。
トランプ大統領を真似よとは言わないが,あの強引さを少しでも持って貰いたいものである。今のところ,コロナ対策と経済対策など国内の問題に終始しているが,この態度で外交が十分出来るのか非常に心配である。大臣など廻りに優秀な人材が居るとはいえ,外交は一国の総理の発言が極めて重要であり,日本が他の重要諸国に互して行けるのか?
このままでは,内閣支持率は低下が止まらず,やがて不信感が増してくるだろう。覇気のない姿がいつまで持ち堪えられるだろうか?
官房長官からの脱皮を素早く!!
[Reported by H.Nishimura 2020.12.14]
Copyright (C)2020 Hitoshi Nishimura