■菅政権,1カ月が経って  (No.663)

菅総理が誕生して1カ月が過ぎるが,その実像がよく見えない。

  国民のために働く内閣

学術会議の任命問題など,波乱含みの政権だが,日本をどのようにしようとされているのか,全くその内容が掴めない。「国民のために働く」とのキャッチフレーズは,如何にも地味で菅総理そのものを表している。当たり前のことを地道に確実にスピードをもって実行するとは,総理大臣の発言としては,スケール感が全くない。一国の総理とは感じられない。

元々地味で,安倍内閣の古女房として活躍されていたが,未だそれが抜けきらない。流石,総理大臣になられたので,見違えたという感覚は微塵もない。日本の将来を委ねる人だから,それなりの言動が重要なのだが,素人目にも未熟さ,資質の無さと言っては失礼だが,その程度にしか見えないのは,私だけだろうか?

歴代の総理が必ずしも,立派で日本の将来を託せた人だとは限らないが,国民は一国の総理としての期待は大きく,日本をより良い国にして欲しいと願わずにはいられないが,今のところ裏目である。改革などスピードをもって断行する実行力はあるように認めるが,安倍総理同様,善悪を見極め,豊かな日本人を育てようとすることには力が及ばないように見える。悪い意味の忖度が更に酷くなるような気がしてならない。

  発言が少ない菅総理

総理として何がしたいのかが全く判らない。所信表明も行わず,強引なやり口のまま進むのは,権力者の横暴そのものである。人事権を振りかざし,有無を言わさないやり方にはうんざりする。マスコミの報道では,優秀な学生が官僚になって日本を支えて行くのが日本の発展に貢献する大きな手段だったが,それも二の足を踏む傾向が出ているとか。昨今の官僚の忖度に嫌気がさしているらしい。笑い事ではなく,本当に日本を弱く,元気のない国に突き進んで行くのではないだろうか?

自分の意志に基づいた発言が,尽く前安倍政権の継承や受け身的なことに終始してしまっている。例えば,学術会議の問題でも,総理として自分はこのように考えるから,任命拒否の判断をしたのだと,堂々と発言すればよい。それができず,有耶無耶な中で事を済まそうとしている姿勢は,安倍政権と何ら変わりはない。継承を謳っているから当然と言えばそれまでだが。権力を傘に横暴君主になってしまうように映る。

携帯電話料金の値下げなど,国民の関心の高いことを実行して,人気を博すのは構わないが,それだけでは実務者で,大臣の仕事である。コロナ禍で経済も疲弊した中,GO−TOのいろいろなキャンペーンを行い,少しでも国民の活性化を促すなど確実な足取りは十分理解できるが,何か物足りなさを感じてならない。

とにかく,正々堂々と日本の将来に向けた夢を,一国の総理として発言して欲しい。米国に対する日本としての考え方,対中国,ロシアなどに向けて,どのようにやって行くのか?日本に総理大臣としてどのように考えるのか,所信表明を早くして欲しい。だんまり,むっつりでは,国民が支えようがない。暗い印象が払拭できない。

実態が見えない菅総理

 

[Reported by H.Nishimura 2020.10.19]


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