■菅内閣が誕生して  (No.661)

安倍内閣を継承する菅内閣が誕生した。大臣の顔ぶれも余り変わらず,アベノママ内閣と揶揄される。

  菅総理の所信より

総理としての所信も,官房長官と変わり映えしなかった。働く内閣とのキャッチフレーズも,一国の総理としては物足りない。実務に於いては確実に進めることができる内閣と信用は於けるが,スケールが小さい。実務に長けているのが災いして,実務のトップとしての改革は進むだろうが,将来の日本に向けたビジョンが全く感じられない。

秋田から出てきて苦労を重ねて上りつめたとのPRは結構だが,日本の総理として振る舞うには,それなりの覚悟と日本の将来を見据えたビジョンが必要である。実行力を売り物に改革を断行する意気込みは大いに期待するが,それで国民は満足しない。一国の総理としての仕事ぶりが重要である。

  ピンチヒッター内閣

安倍内閣の継承を謳っていることにおいて,ピンチヒッター内閣でしかない。安倍総理よりも,実務的な改革には腕を振るって率先垂範されるであろうがそこまでで,それ以上の期待はできない。官房長官時代のイメージが強くあるため,官房長官に毛の生えた程度の実力でしかないように映る。庶民感覚でそのように映るが,これから時間が経つにつれて総理としては期待外れで,支持率は下落の一方になる可能性が極めて高い。

菅内閣は安倍総理の任期期間の一年間で,自民党の総裁選挙が再び行われる。今のところ,菅総理として次の一期も続投する様子だが,真のところはよく判らない。官房長官として,残りの任期を総理代行としてやり遂げることで,花を咲かせ,次の若い人に譲るのが最もベターな選択のように思える。

二階幹事長,麻生副総理が幅をきかせ,派閥論理,永田町論理の中で行われる政治手法は余りにも古すぎる。こんな二人が牛耳っている日本の将来は危うい。誰もそれに異議を言えない自民党は情けない限りである。これまで問題視されてきた縦割り行政の欠陥を改革し,デジタル庁の創設など,思い通りの改革には,古い通例を払拭させて断行して欲しい。

  外交が気になる

菅内閣で一番気になるのは,外交政策である。安倍総理は外交に関しては,在位期間が長かったこともあって,世界の大国のトップから一目置かれていて,日本の主張を言える立場にあっても,目立った外交成果はなかった。まして,菅総理は外交には全く期待が持てない。つまり,日本の立場が今までより小さなものになってしまう。

官房長官時代から,安倍総理の外交に裏で交渉していたような話もあるが,それはあくまでも安倍総理の顔があってのことで,自分が総理になったのでは大きな違いがあり,自らが日本の将来をどのようにするか,ビジョンがあってのことで,それが全く見えてこない。この心配は一年も経たず現実になってくるだろう。

攻めてこの一年内政だけでも成果を上げて欲しい!!(それ以上は期待しない)

 

[Reported by H.Nishimura 2020.09.21]


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