■新型コロナウイルス感染拡大第2波(続き) (No.657)
前回,新型コロナウイルスの感染拡大が再び始まっており,第1波の新規感染者数を遙かに超えた感染者が出てきており,第2波の症状が出てきていることを述べたが,東京では300人超,大阪でも150人弱とこれまでに無い新規感染者が出ている。しかし,政府は依然として緊急事態宣言を出す段階では無いとしている。
なぜ,第2波が来ていると言わないのか?
我々,マスコミの情報しかない者にとっては,新規感染者の増加具合が気になる。しかし,政府や東京都知事は,はっきり第2波が来ているとは言わないのは,なぜだろうか?専門家の意見を参考にして判断していると言われるが,専門家の意見も様々で,分科会そのものが政府よりの見解を示しているに過ぎないように映る。
緊急事態ではないと言い切るのは,第1波のときの検査数とは違って,検査数の増加による裾野の感染者(無症状・軽症者)を拾っているので増えているのであって,重症者数で見れば,医療体制の崩壊になるようなことにはなっていない,と云うのが言い分のようである。
しかし,専門家の中には,東京がエピセンター化していて,やがて医療崩壊に繋がる危険性があり,今のうちに手を打つ必要があると主張される方もおられる。未知のことが多く,どれが正解だと言い難いが,一方でGOTOキャンぺーンを打ち出し,人の出歩きを奨励しながら,東京は自粛ムードでと,政府と東京都でチグハグな行動が見られる。
緊急事態宣言のあり方
検査数の増加や重症者がそれほどではないので,緊急事態宣言を未だ出さないと云うのは,理解できるにしても,どうも基準が明確でないため,どうしても遅れ勝ちになってしまっている。慎重になることは大切だが,この緊急事態宣言の効力が今一つよく判らない。感覚的には何となく全国一律に自粛ムードにさせることはあるが,経済的な疲弊が大きくデメリットの方が大きいようである。
そもそもこの緊急事態宣言が,要請レベルでの力しか持たないところに問題があるように感じられ,マスコミなどでも論じられているように,強制力を持った指示と,その一方で休業指示に対する休業補償が一対になっていることが必要である。要請レベルなので,最終判断は被要請者側にあり,要請を無視することができる。それは裏を返せば,生きていくためには止むを得ない事情があるようである。
昨今の現状を見る限りに於いて,全国一律では無く,必要と思われる都道府県に対して緊急事態宣言をし,それによって詳細事情を把握できている知事が必要と思われる業者を強制休業させ,休業に対する補償を国から行うようにすべきである。そのためには法律を変える必要があり,早急にすべきなのに,肝心なところで国会が締まっている。政治家は休んでいるような状態ではないはずである。
これだけの一大事が起こっているのに,何を考えているんだ!!と言いたい。要は口先だけの対応策ばかりで,真剣にこの問題に立ち向かう気概が政府に見られない。安倍総理もここのところ姿が見えず,何の発信も無い。本当に情けない。
対応策が見えない政府
ここ最近の増加傾向は,東京都中心の一都三県だけでなく,大阪や愛知の増加も目立ち,さらにGOTOキャンペーンによる人の往来の増加により,これまで感染者が少なかった県でも感染者が増えてくるのは予測される。経済の疲弊を救うためには多少の感染者の増加は仕方ないとの論理でいいのだろうか?
GOTOが始まったので,この2週間後あたりの感染者増加が一番気になるところである。無症状者や軽症者が多く,若者の比率が高く,重症者が少ないとはいえ,感染者の増加と共に,高齢者層の感染者も増え,重症化する人も当然増えてくることは明らかで,その増加具合に,病院の対応が不十分になることが最も危険で,それを危惧する医療関係者も多くなってきている。
何もしない,何もできない政府にいらつきを覚えるのは私だけでは無い。多くの人が,的確な対策処置を早急に取って欲しいと願っている。見えないところで頑張っているのかも知れないが,もう少し国民目線に寄り添って,国民が納得できるような対応策を示して欲しいものである。国民の協力無しに,この一大事を乗り越えることはできないのだから!!
政府の無策にうんざり!!
[Reported by H.Nishimura 2020.07.27]
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