■新型コロナウイルス感染騒動で感じること (No.653)
新型コロナウイルス感染拡大に対する緊急事態宣言が発せられて,1カ月以上になり,本日関東と北海道の5都道県の解除になり,全国で解除されることになった。
緊急事態宣言とは何だったのか?
緊急事態宣言の経緯を辿ると,
- 4/7に7都府県(埼玉,千葉,東京,神奈川,大阪,兵庫,福岡)に発令,4/7〜5/6までの期間が最初の宣言
- 4/16になって,7都府県以外の道府県も対象区域に拡がり,全国が緊急事態宣言下におかれた
- 5/4になって,期間を延長(5/31まで)する
- 5/14には,39県の緊急事態宣言解除を発令(8都道府県はそのまま)
- 5/21には,関西3府県(大阪,兵庫,京都)の解除を発令
5/25には,残る5都道県(北海道,埼玉,千葉,東京,神奈川)の解除を発令となっており,ようやく緊急事態宣言が全国で解除され,徐々にではあるが,自粛解除に向かっている。
こうした経過を先取りして,大阪を代表に知事が独自の措置を実施しているのが実態である。即ち,緊急事態宣言の有無が,我々の生活に直接影響することは少なかったのである。ただ,法律上,宣言下か,そうでないかは違ってくるようである。そうとはいえ,緊急事態宣言で休業の自粛をさせ(これは知事の指示ではあるが),強制的ではないが,中小企業・及び個人経営に負担を強いたのである。
要は,自粛と各々の良識に任せると権限を行使しながら,その損失に対する責任は政府は鈍感で,個人に対する10万円の配布や中小企業・個人経営に対する融資などで対応している姿勢は見せているものの,庶民感覚とは程遠い,全く持ってスピード感の無いもので,廃業や倒産するところが目立ち始めている。
強制ではなく自粛とはいえ,個人の自由を束縛する緊急事態宣言の意義が,このようなことで良かったのかについては,猛省して欲しいものである。
これからの対応
緊急事態宣言が解除されるまで,新型コロナウイルスの感染拡大が収まったことはたいへん嬉しいことである。他の国と比較にならないほど,日本人の良識が為し得た素晴らしい成果である。なぜ,他の国とこれだけ違った成果になったのかは,十分検証して欲しいものである。
ただ,両手を挙げて喜べない問題が残っており,完全にコロナウイルスが撲滅した訳ではなく,南米・アフリカなど新興国での感染は拡大中であり,一方,収まった国でも再燃しているところもあり,日本でも第2波が確実に来ると予測され,それに備える必要が残っている。
聞くところによれば,今回医療崩壊は回避できたが,新型コロナウイルスへの対応による影響で,医療関係の収支悪化が深刻で,これだけ身を粉に働いて戴いた医療従事者にボーナスなどが減給されることになりそうである。一時的に,国から医療従事者への補助金が支給されたとはいえ,今後の生活への補償まではなされていない。
特に,新型コロナウイルス感染拡大を防止するために尽力された医院の収支悪化が大きいそうである。せめて,先頭に立って頑張って頂いた医院には,それ相応の負担を国としてすべきで,収支悪化による第2波などへの今後の対応が不十分になるようなことは回避すべきものと思う。
口だけ出して,庶民感覚の理解が全く足りない政府にはうんざりする!!
日本人の良識が新型コロナウイルス感染拡大を防止した!!
政府は庶民の誠意だけに頼らず,責任を果たせ!!
[Reported by H.Nishimura 2020.05.25]
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