■出口戦略  (No.652)

緊急事態宣言が出されて約1カ月になる。5/4には,5/7までの自粛をさらに5/末まで延長すると発表された。自粛期間も長くなり,国民の中にはいつまで続けるのだろうかと苛立ちもある。そんな中,大阪府の吉村知事が,具体的な数値を示して,自粛要請を徐々に解除していく道筋を示してくれた。

  出口戦略

専門家の意見を参考にするのは当然だが,政府として新型コロナウイルス感染拡大防止と経済の疲弊解消のバランスをどのようにするのか,明確な道筋が一向に示されない。自粛の要請と補償は一対であらねばならないが,要請を一方的に押しつけるばかりか,それも都道府県知事の権限に委ね,口だけは出すがお金の補償はしないとする政府のあり方に,都道府県が幾らかの補償をすると云った誰が見ても不合理なことがまかり通っている。

国も無策を見かねて,大阪府の吉村知事が自粛要請の解除の条件として,@感染先の不明が10人以下,A感染率が7%以下(検査数に対する感染者数),B重症患者を受け入れるベッド数の埋まっている割合を60%以下,と云う3条件を基に,これが7日間連続して達成できれば,自粛の条件を緩める(一気にではないが)ことを,出口とすると発表した。

ところが政府は,出口戦略と云うのはけしからん,といちゃもんを付ける。国が具体的な数字を示さないので,大阪モデルを発表したと云う文句に反発して,都道府県が独自に自粛要請しておいて,国がその解除条件の数値を示せと云うのは筋違い,出口戦略とは緊急事態宣言に対する終息を告げるもので,勘違いしないで欲しいとの言い分である。すぐさま,吉村知事は間違った表現を訂正して謝り,自分の言いたかったことは,政府自身が曖昧な表現のままで,国民の誠意だけを期待した無策なことに注文を付けたのだと言い返した。

国民の期待は,政府の答弁内容ではなく,吉村大阪府知事の明解な数値を示して自粛解消を目指すことであり,言い方の間違いはあったにせよ,吉村知事を歓迎するものであったことは言うまでもない。

  無能な人の集まりか?

PCR検査の能力が十分でなかった当初,医療業務の支障を来すようなことが起こらないよう配慮して,37.5℃以上が7日間続くまでは家で我慢して欲しいと専門家会議の意見を反映して厚労省が発表した。ところが,自宅待機で急速に悪化し,死者が出るようになった事態を受け,PCR検査を受ける基準をゆるめると発表したが,以前の条件は目安で,受診基準ではないと,PCR検査の基準条件とは国民の誤解だと,加藤厚労大臣の発言が発言した。

これに怒っている人は多いが,国民を騙しておいて,それは国民の誤解だとのうのうと発言するような厚労大臣を大臣の誰も注意はしないのか?全く国民をなめてしまっている。なぜ,素直に当時はPCR検査能力が十分でなく,検査数を絞っていたが,能力が上がってきたので,条件をゆるめたと言えないのか?

PCR検査数が世界各国からみて,日本は異常に少ない。安倍総理は2万件以上に増やすようにしていると発言するが一向に検査数が上がってこないのが現状である。この状態が1カ月以上続いている。未だ検査数を抑えようとしているのか,との質問に,一生懸命努力しているとの答え。総理が真剣に取り組もうとしても,実現しないのは,無能な幹部集団と言わざるを得ない。

要は,実態把握ができていないに過ぎないのではないか。山中教授の発言でも,検査能力は2万と云わず,10万でも可能と。政府は検査能力の何処がボトルネックになっているか把握できていないので,検査機の数からして検査を増やすことが可能と答えるばかりで,ボトルネックの解消ができない限り,いつまで経っても検査数は増えないのだ。聞くところに寄ると,検査能力ではなく,検体を採取できる人が限られており,その人数を増やさない限り,検査そのものの能力があっても使えない状態になっているようである。

遅い,判断が曖昧,実情把握した適切な対応が取れない,こんな無能な集団に誰がしたのか?安倍総理の資質・能力そののもの化けの皮が剥がれてしまってきている。

こんな日本になってしまったことが悔しい!!

[Reported by H.Nishimura 2020.05.11]


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