■緊急事態宣言 (No.651)
新型コロナウイルス感染拡大に対して,政府が主要都府県に対して,緊急事態宣言を発動した。しかし,その言葉とは裏腹に,政府の考え,行動が余りにも稚拙で,こんな政府に任しておいて良いのかと憤りを覚える。国民の感覚とのズレが酷すぎる。
対応策の遅さ
先ず気になるのは,諸外国が新型コロナウイルス感染拡大に対して,必死になって,素早く対応策を打っているのに,日本では政府は知事からの強い要請があって,ようやく緊急事態宣言を発出した。それに伴い,知事は不要不急の外出を自粛させ,休業要請など直ぐに手を打とうとしているのに,政府は宣言してその様子をみて,2週間後に休業処置などをしようとするのんびりさである。
休業補償が無い中,自粛要請で混乱の極みであるが,政府の危機感はどうなっているのだろうか,と疑いたくなる。収入減の人に対して30万円を給付するとの策も,一見すれば困窮している人にとってありがたいことだが,よくよく聞いてみると,手続きが難しく,それを通ったとしても,手元に届くのが早くても5月末だとか?今すぐ必要なのに,何を考えているのだ,と言いたい。
休業の影響で,日々の暮らしに困っている人にすぐさま暖かい手を差しのべられないのか?30万円という額の大きさだけで,国民をだまそうとしているようにしか映らない。それよりも,すぐさま国民一人あたり,10万円を即給付する方が,国民が団結してコロナに立ち向かおうと鼓舞でき,効果が大きいのではないか。その議論に,財務省は東日本大震災で国民に12000円を給付したが,支出には廻らず貯蓄になってしまったという反省があるようだが,12000円位でごまかしたので,そうなったのであって,10万円となれば使い道を考え,或いは日々の生活の大きな支えになるとは思わないのだろうか?
とにかく,やることなすことが遅すぎるので,国民は怒り心頭にきている。
アベノマスク
滑稽なのが,アベノマスクである。住民の一家あたり,布マスクを2枚配布して,コロナ対策にするという愚策である。安倍総理が答弁で,一人だけ付けている子供の給食に使うような小さなマスクである。余りにも滑稽な姿に,大臣がたも一人も同じ布マスクをしていない。誰もが貰っても付けたくないマスクであることが象徴されている一面である。
これに郵送代を含め多額の資金を使う予定だが,一体誰の発想なのかと言いたくなる。こんなマスクを貰うよりも,医療崩壊寸前の現場に不足しているマスクなどを配布して医療の確保にお金を使ってもらう方が,国民にも十分納得できる策なのではないか。マスク2枚で,政府が真剣に新型コロナ対策を考えているとのメッセージが国民に伝わるとでも思っているのか。
国民をなめているのか?
今回の緊急対策に,108兆円を支出すると,大風呂敷を広げたようだが,何のことはない本当に,国民に新型コロナ対策として使われるのは,「真水」といわれているが,20兆円にも満たないものであることが判ってきて,多くの識者が怒りをあらわにしている。本当に,国民をなめているのか,と言わざるを得ないのである。
中小企業の事業者には本当に過酷な状況が,テレビなどマスコミを通じて明らかにされている。3密と言われる感染拡大要素を避けるために,お店に休業要請をしている。しかし,その休業要請に対する損失に関わる補償が一切無い。東京都は独自に,休業対策金を僅かではあるが出すことになっている。それらに対しても,財務省は「東京都はお金があるからできるが」と皮肉っている。
休めと命令では無い要請レベルとはいえ,実質休業せざるを得ない状況である。そうしたお店に対して,従業員の給料の支払いなど,諸外国は国が何割か補償することにしている。当然のことで,要請しておいて後は知らぬとは,何たる言い分なのか。東京都以外の緊急事態宣言をされた府知事達は,こぞって休業に対する補償の要求を国に求めている。
財政の状況を詳しくは知らないが,口だけ出して金は出さない,とは何たる政府なのか!!国民の高い自覚意識に期待するのは良いが,余りにも酷すぎる仕打ちである。真剣に,新型コロナウイルスの蔓延を止めようとする危機感があるのなら,要請と補償はセットで行うべきで,国民の誰もがそうしたことに税金を使うのに,文句は言わないであろう。
とにかく,遅い対応,補償を伴わない要請など愚策のオンパレードである。安倍政権そのものが,緊急事態だと言った評論家も居たが当にその通りである。
緊急事態宣言で少しは国民の自覚が変わり,早く終息に向かうことを願う
[Reported by H.Nishimura 2020.04.13]
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