■新型コロナウイルス感染対応 4 (No.649)

新型コロナウイルス感染拡大がなかなか止まらない。世界的にも,欧米で日本を上回る感染者が出てきている。WHOも遂にパンデミック状態だと宣言した。日本は世界の中では比較的に感染拡大が抑制されているようにも見られる。安倍首相も緊急事態宣言を発令することを今のところ躊躇している。

  新型コロナウイルスの正体

新型コロナウイルスの正体が判っていなく,対応する術が見つかっていない。つまり,感染しても抑制する薬が無い状態で,このことが人々の不安を増大させている。80%以上の人が軽症であると云われても,重症化したときに抑制する薬が無いのは,怖がらせる大きな要因である。

マスコミの報道で初めて知ったのだが,人に感染するコロナウイルスとは,現在風邪の原因となる4種類のウイルスと重篤な肺炎を引き起こすSARS,MERSの6種類だけだったそうである。それに今回の新型コロナウイルスが追加され7種類になったとのことである。さらに今回の新型コロナウイルスは全く新しいものではなく,SARSコロナウイルスと似通っているそうであるが,似通っているとはいえ,30%程度は異なっており,違いの30%と云うのはかなり大きな違いとのことである。

しかし,SARSコロナウイルスと似通っていると云うことは,SARSコロナウイルス対策が参考になることには違いなく,世界の医学者が必ず対抗策となる薬を生み出してくれるであろうと期待したい。ただ,新薬の承認は,開発されたとしても認証されるまでに年月を要することから,今年度中にはなかなか難しいようである。

ただ,医学の世界の研究はこれまで人類を悩ませたいずれの感染症も,その特効薬が開発されており,今回の事態を受け,早急に特効薬が開発されるだろうと願う。また,その承認に当たっても,人体への副作用など害を与えることに対する対応も速やかに行われるだろう。

  日本の対応

日本の対応策は,今のところ世界中では一見比較的上手くできているにもみえる。感染者数の増大傾向からは,そのように見えるが,本当のところはよく判らない。つまり,検査数の少なさである。重症者を見つけ出し,死者数を増やさないことにおいては,一応抑制が効いているといえる。

専門家の意見も様々で分かれているが,未知なウイルスゆえ当然ではあるが,政府の対応はのんびりとは言わないまでも,俊敏性には欠けている。検査数の増大や,医療従事者への対応など,人々の不安を解消するような行動とは程遠い感じがしてならない。政府の見解を無視して,独自の対応策を打ち出している,大阪府や和歌山県など,府・県の知事が先頭に立って,感染拡大防止にやっきになって働いている。

こうした自治体独自の対応策が,感染拡大防止に一役を担っている部分は大いにある。小中高の学校の一斉休校は,突然の宣言で子供を持つ世帯に大きな影響を及ぼしている姿が報道されているが,一斉休校と云うインパクトは大きく,日本中に自粛を要請するトリガにはなったが,本当に感染拡大防止に大きく寄与したかどうかは,よく判らない。首相のやっているパフォーマンスに過ぎないのではないかとさえ思っている。

むしろ,日本の経済活動そのものが萎縮してしまった感は否めない。その萎縮に対しての対応策が具体的に示されるのが政治家の役目であり,日本中を元気づける源なのであるが,安倍総理の会見などでは,可及的速やかに対策するとの言葉だけで,具体的な内容は何一つ無く,単に緊急事態宣言までするほどの状態ではない,とだけに留まっている。当に拍子抜けする会見であった。

リーマンショック以上の危機とまで云われている中,手をこまねいて様子見している場合ではない。感染拡大防止策と同時に,経済対策が重要であるが,頭では判っておられるようだが,具体的な行動が何一つ無い。寂しい限りである。リーダシップの真髄が問われている。

  今なすべきことは

今我々が為すべきことは,先ずはこれ以上,感染拡大を大きく拡がらないように,手洗い・うがいなど自らの感染防止に努めることはもちろんのこと,防止策を講じながら,経済活性化への活動が重要である。集団感染が起きないような注意を払いつつも,通常の日常生活を取り戻して,前を向いて進むことである。

欧米の感染拡大の状況が刻々と知らされているが,日本が欧米のような状況にならないようにする,我々自身の自覚と廻りの噂などに惑わされないようにすることである。平常心で,明るく過ごすことである。そうして,日本人としての誇りを持って困難に立ち向かうことである。

新型コロナウイルス感染がこれ以上拡大しないように願う

 

[Reported by H.Nishimura 2020.03.16]


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