■ラグビーワールドカップ 日本がベスト8に (No.640)
ラグビーワールドカップ日本大会は南アフリカの優勝で幕を閉じた。ラグビーがこれほど日本人を熱狂させるとは,大会前には予想も付かないことだった。にわかラグビーファンが一気に増えたようだが,私もその一人で,日本の大活躍にテレビ観戦に釘付けされた。
日本の躍進
私自身はラグビーのルールもよく判っていない。ラグビーの試合そのものを真剣に観戦したこともない。ニュースなどで流れるトライなどのシーンを見る程度だった。ラグビーのワールドカップがオリンピックの前年に日本で開催されることは知っていたが,日本はとても力が及ばないものだと決めつけていた。それは日本代表としてサンウルブズが世界に出てスーパーラグビーで戦って,尽く負けているのを知っていたからである。
ワールドカップが始まるまで,日本がどこの国と戦うのかも知らないほど,興味も持っていなかった。しかし大会が始まると,マスコミが一斉に騒ぎ出し,テレビ中継もするとあって,初戦のロシア戦から観るようになった。始まりは,日本選手の硬さが目立ち,ボールが手に付かない様を観て,こんな程度なのかと思ったが,観ていると自然と日本を応援し,逆転しトライを決めるなどし出すと,ラグビーの面白さが少しずつ判ってきた。
スローフォワードやノックオンなど反則ルールは判っているが,細かい部分のルールはよく判っていない。観戦して初めてジャッカル(寝ころんだ状態でボールを放さない反則を誘う)と云う技も知った。ロシアに勝った後,次の強豪アイルランド戦が非常にハードな試合で,何とか逆転で勝利した。サモア戦も勝ち,残るスコットランド戦が,ベスト8に進出できるか否かのカギであった。
日本中の熱気が盛り上がると共に,スコットランド戦を迎えた。日本の勢いは止まらず,先制はされたものの,4人のオフロードパスを繋げトライするなど前半を21−7で折り返した。ところが後半はスコットランドの猛攻に遭った。残り10分余りで28−21まで追い上げられ,1トライを許すと同点にされる場面までなった。スコットランドの押し寄せる攻撃にドキドキしながら,観戦していたが何とかかわしそのままノーサイドまで持ち込むことができ,ベスト8進出が決まった。
準々決勝の南アフリカ戦は,前回大会に奇跡とも云われる勝ち方をした相手だった。前半は善戦して3−5で折り返したが,南アフリカの強さは格別で,ラインアウトからのボールも殆ど取られトライを次々許し結果3−26で敗れた。日本の完敗だった。この後,南アフリカは準決勝も勝ち進み,決勝戦ではイングランドと戦った。決勝戦は日本チームではなかったが観戦した。戦前の予想はイングランドが有利とみられていたが,拮抗して両者ともトライが奪えず前半12−6で南アフリカがリードした。後半20分を残したところで,南アフリカの勢いが増し,イングランドがついて行けずトライを立て続けに奪われ,その結果32−12で南アフリカが勝ち,最高の栄冠を手にした。
感動のシーン
幾つかの感動する場面があった。やはり目立ったのはトライの瞬間で,松島選手や福岡選手が快足を跳ばして,相手ゴールにトライしたときは,小躍りして喜んだものだった。相手の巨漢のディフェンスの間をすり抜け,ゴールを目指す瞬間はたまらないものがあった。また,オフロードパスと称して,相手のタックルを受け倒れながらも続く味方にパスを送り,ゴールを目指そうとする姿で,スコットランド戦で見せた4人が次々とオフロードパスを繋ぎ,最後に稲垣選手が初めてトライしたときの素晴らしい連携は見事だった。
素人の私にはトライの瞬間が目立ったが,スクラムを組んで,相手チームと互角に押し合い,ときには押し勝つシーンも見られ,日本選手が誇らしく雄叫びを上げる姿など,ラグビーならではの醍醐味だった。解説者も日本のラグビーがここまで強くなったことを誇らしく語っているのが印象的だった。
ラグビーのワールドカップは日本中に感動を与えた
[Reported by H.Nishimura 2019.11.11]
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