■政治家の責任  (No.631)

参議院選挙が公示され,選挙戦が始まっている。テレビなどで議論を聞いていても,どうもしっくりこない話ばかりである。

  政治家の役割は

最近の政治の動きを見ていると,本当に日本の将来を考え,下僕として我が身を投げ出して誠心誠意働こうとしているのかと疑いたくなる。庶民の目線で,世の中の実態を把握しながら行動することは勿論,将来の日本の姿をどのようにするべきかを考え,明るい未来を提供するべく役割を担っているのが政治家である。

すべての政治家が悪いとは思わないが,党利党略にしたがって活動する政治家は多いが,日本の将来の姿を明らかにし,こんな日本にして行きたいと胸を張って述べる政治家を見掛けなくなってしまった。まるで独裁政治さながらの,何でもあり,改竄,隠蔽がまかり通り,忖度と云う言葉が間違って使われ,政治不信も甚だしい。安倍政権一強の弊害である。

昔の自民党はそうではなく,もっと自由闊達な議論が交わされていたように記憶しているが,今の自民党には期待もできない。

  消費税増税について

選挙の論戦の一つに消費税増税があり,与党が賛成しているのに対し,野党はこぞって反対している。庶民は増税されない方が良いに決まっており,増税に対する納得性が十分説明しきれていない。

私個人は,消費税は増税すべきと思っている。与党を応援する訳ではないが,選挙目的のため,増税を二度も延期し,子供や孫の世代にツケを押しつけるのはいい加減に止めてはどうか,と思っている。国民がしぶしぶでも,増税もやむなしと思えるような説明が,何故与党にできないのか不思議でならない。自分の党がどうなるか,選挙の勝敗が何にも優先される政治はこりごりである。野党の腰砕け状態に,今なら選挙に影響は少ないと考えている自民党の腹が読める。

一番の問題は,消費税増税で庶民に負担を強いながら,政治家そのものは議席を3議席も増やしている。こんなことが許されて良いのか,国民はしっかりみなければいけない。政治家自身が身を切るような努力をしてこそ,庶民も多少の負担は我慢できる。それなのに,参議院など,今の半分程度に(詳しい根拠は全くなく,感覚だが),すべきだと思っている。そうすれば,将来の明るい日本へ進めようとしてくれているのだと腹に落ちるのである。

  自分のことだけを考えているのでは?

今の政治家はトランプ大統領に象徴されるように,自分中心に考えている人ばかりである。嘗てのアメリカは,世界のアメリカとして指導的地位を保ち,世界をリードしていた。ところが,トランプ大統領は,アメリカファーストと,自国の利益が最優先である。もちろん,大統領や首相は,その国を預かっている立場なので,自国の利益を最優先にするのは当然のことである。

しかし,どんなことをしても自国の有利になることはすべてやる,と云うのは真の政治家としてあるべき姿なのだろうか?と疑問符が付く。トランプ大統領も選挙目当ての行動が垣間見える。とにかく,前オバマ大統領がやったことを全否定して掛かっている。もちろん,支持者の声を大切にするのは判るが,会社の社長では無いのだから,自分の利益を最優先で行動規範としていることには反対で,猛省を促したい。私の声など,全く届かないが,私同様の思いをされている人が世界中に多くおられるだろうと思う,

政治家は本来の役割を果たすべき

 

[Reported by H.Nishimura 2019.07.08]


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