■平昌 冬季オリンピック  (No.567)

男子フィギュアスケートで羽生選手が金メダル,宇野選手が銀メダルを獲得,1,2フィニッシュに日本中が沸き上がった。

  2018 平昌冬季オリンピック

先週から韓国で行われている冬季オリンピックの話題でマスコミは賑わっている。日本人で金メダルを期待されていた選手が,なかなか金に届かない中,ようやく金メダル第1号が現れた。4年に1度のオリンピックで勝つことの難しさがヒシヒシと伝わる今回のオリンピックである。世界選手権などで大活躍し,金メダルに一番近い選手と云われながらも,大きなプレッシャー,僅かな環境の違い,勝負運など様々な要素が絡み合ってきている。

オリンピックの競技を総て見ている訳ではないので,断片的なことしか理解できていないが,迫力ある競技をテレビで観戦している。テレビの放映権の問題とされているが,韓国とは時間差が無いので,昼間に観戦できるものと思っていたが,多くの競技が夜の9時以降と云う変則的な時間帯での競技になっている。選手などはコンディションの調整など無理難題を強いられているようである。もちろん,選手にとっては全員が同じ条件なので文句は言えないが,見ている方にとっては文句を言いたくなる今回のオリンピックである。

  ケガからの復帰で金メダル

その中でも,フィギュアスケートは午前中から行われ,選手にとっては慣れない環境下での競技になっており,転倒する人も多かったようである。観戦する私たちにとっては,有力選手が午後一番当たりに出場すると云う絶好に時間帯である。そのため,今回の競技は前日のショートプログラムからじっくり観戦することができた。

何と云っても圧巻は,羽生選手の演技で,ショートプログラムは文句の付けようもない完璧なもので,ダントツの1位だった。ただ,観戦している多くの人が感じていたように,ケガからの復帰第一戦であり,どれだけ回復しているか,心配で見守るしかなかったのが本音である。有力選手が失敗する中,ケガの心配を吹っ飛ばすような演技で,日本中のみんなを安心させてくれた。

そして昨日のフリーの演技である。ショートプログラムと比べ,持ち時間も長く,配点も倍ほどあるので,一つ間違えばメダルを逃すことも考えられた。しかし,多くの人の心配をよそに,オリンピック王者の貫禄を見せつけたような演技で,前半はほぼ完璧であった。後半に入り,右足の負担も多くなり,4回転の連続技が見せられない,失敗とは云えないまでも,やや危うい場面はあったが何とか踏ん張り,持ち堪えたと云うべきもので滑り終え,勝利を確信した様子だった。

続く,2位,3位の選手も少しのミスがあり,金メダルを獲得できた瞬間の歓びは,日本中の人々が同じような感激を味わった瞬間で,アナウンサーも絶叫していたが,流石王者と云う貫禄であった。その瞬間の羽生選手の目には,これまでの努力が報われた感激の歓びの涙が溢れていた。

  冷静な宇野選手は銀メダル

感激している羽生選手と比較すると,銀メダルに終わった宇野選手は非常に冷静沈着なように映った。終わった後のインタビューでも,スタート時は最高の演技ができれば金メダルが狙えると思っていたと云い,最初の4回転で転んで,笑えてしまった,後は自分の演技をしようと思ったと云う何ともふてぶてしい,頼もしい発言である。

もともとオリンピックの緊張感は無く,一つの競技大会でしかないと云う感覚だったようで,これまで自分が努力してきたことを存分に発揮するのだと言い聞かせて居た様子だった。インタビューの受け応えも,羽生選手とは対照的で静かな物腰で,立派なものだった。

羽生選手と比較すると,背丈の差もあって,優雅さなどは見劣りするが,技の切れは優れており,技術点でも羽生選手を上回る得点を上げており,まだまだ伸び代のある選手のように感じられた。我々は,この二人が今後もライバルとして競い合い,お互いを高め合って行くものと思っていたが,フィギュアスケートの世界では,ライバルは自分の中にあり,自分が如何に最高の演技ができるか否かで,相手選手がどうこうと云うのは余り無いようである。

昨夜から今朝に掛けて,各放送局に引っ張りだこの二人で,少々気の毒にも見えたが,日本中に感動を与えた二人に大きな拍手を贈りたい。

金,銀の1,2フィニッシュの感動をありがとう

 

[Reported by H.Nishimura 2018.02.19]


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