■2018年新年を迎えて (No.561)
今年の正月は例年と比較すると,正月らしくない正月だった。お雑煮やおせちと云った類は例年通りだが,年賀状が一切無い。昨年9月に義理の母が無くなり,新年の挨拶を遠慮する喪中のハガキを11月に出しておいたからである。昨年末も例年ならば年賀状書きで慌ただしくなるのだが,年賀状を出さなくて良いとなると随分楽なものである。ところが,実家の処分で引っ越し以上の忙しさに明け暮れ,我が家の大掃除もできない有様だった。あっと言う間に年末が去っていった感じだった。
昨年を振り返って
昨年の前半は古稀を迎え,だんだん物忘れが酷くなって行くことをしみじみと感じ,健康に気を付けていたが,近くの掛かり付け医でレントゲン検査をしてもらったところ,肺に少し陰があるようなので精密検査をとの診断であった。直ぐ大学病院で受診し,MRIの精密検査をしてもらった結果,肺の異常は無かったが,別の肝臓に白い陰があり,再度こちらの検査をするとのことで,改めて造影剤を入れたエコー検査などをしてもらうことになった。
大学病院なので,学生が二人立ち会い教授らしき人がいろいろ指導しながら検査をされたが,肺の裏側にあたりエコーでは十分確認できないとのこと,更に別の日に精密なMRI検査を受けた。どうも胆汁うっ滞のようだと診断,大きくなる可能性がないかどうかを半年後に確認するとのこと。約半年後に再度MRIの精密検査(非常に丁寧に1時間ほど掛けて)を受けたが,大きくなっておらず大丈夫との診断で安心した。
夏の甲子園高校野球大会に母校が出場し,第1回戦をサヨナラ勝ちして,初めて甲子園で母校の校歌を歌い,感激した。公立校で文武両道の名門と全国的に名を馳せることになった。NHKの大河ドラマ「井伊直虎」が放送中とあって,赤備えに因んだ真っ赤なポロシャツ,真っ赤な帽子,タオルと甲子園のスタンドを真っ赤に染めた応援団は一際目立ったものだった。
悲しいニュースもあった。義理の母が病に倒れ,無くなった。94歳だから大往生である。ただ,病に倒れ,亡くなるまでは,女房の付き添いで何度も通い,亡くなった後の葬儀など,義理の弟夫婦が中心だったとはいえ,何かと慌ただしいことが多かった。
更に,年末に掛けて,実家の後始末が待っていた。母が亡くなって10年近くになるが,空き家のまま時々(1回/月以上)通っていたが,年齢も行き,息子の代に引き継ぐ訳にも行かず,自分の代に処分すると決めて1年余り,世間でも問題になっているが,空き家が多く,古い家はなかなか買い手がつかない状態だったが,安く設定したこともあって,買い手が見つかり,契約まで漕ぎつけることができた1年だった。
しかし,古い物の後始末は想像以上に大変で,明治時代の祖母の代のものまで大事に保存されており,特に土蔵の中はお宝は全くなかったものの,不要なものが大事に保存されており,その処分に莫大な費用が掛かることになった。特に,初めてのことが多く,ふとんなど嵩張るものや,粗大ゴミの処分など,専門業者に任せればそれで済むのだが,費用が嵩むので少しでも安くと町の行政でやっている処分を利用し,自らが運び持ち込んだり,大きな粗大ゴミは回収に来てくれるものを利用したりと相当体力を使いながら頑張り,何とか見通しが立ったところで年末を迎えた次第である。
新年を迎えて
年末に掛けての実家の後始末が続いており,ゆっくりとしたお正月では無かったが,何とか実家の処分は目処が立つところまできている。ここ1,2カ月はそのことを中心に明け暮れそうである。実家の処分もそうだが,初めて経験することはなかなか要領を得ないことが多い。しかし,一方ではチャレンジするような気持で臨めば,何かと新鮮なことが多く,楽しいと云えば語弊があるが,ワクワクする気持も無いわけではない。とにかく,初体験である。
今年も,こうした初めて経験するようなことには,積極的にチャレンジして,楽しみたいと思っている。確かに,楽しむ余裕はなかなか出てこず,寧ろ頭を悩まし,夜寝ていても思い浮かべるようなことも多いが,済んでしまえば,それも良い経験の一つである。後悔しだしたら限りが無いので,後悔することなく,失敗を畏れずに前向きな姿勢で進んで行こうと考えている。
気持はそうであっても,健康で無ければそれも叶わず,この歳になると,健康第一は変わらない。多少の無理はあっても,無茶をせず体力維持に向けた運動などは,昨年同様続けて行きたいと思っている。その一つが,趣味三昧の生活である。趣味に没頭しているときは,精神的にも安定し,心の底からエネルギーが湧き出てくるものである。幸いにも,趣味が多い自分自身にとって,趣味三昧でこの1年を乗り切ることを心掛けようと思っている。
物忘れがだんだん増えてきていることは致し方無いことである。しかし,何もしなければ,ますます酷くなる一方なので,頭で考え行動することは積極的に採り入れ,頭を動かすことを心掛けようと思う。人と接する機会も少なくなりつつあるが,人と接することも頭の回転をよくする一つであり,一人引っ込んでおらずに前に出て行こうと考えている。
[Reported by H.Nishimura 2018.01.08]
Copyright (C)2018 Hitoshi Nishimura