■集中力を高める 8 (No.536)
集中力についてインターネットで調べていると,「モンテッソーリ教育」と云うのに出くわした。初めて聞くもので全く判らなかったが,調べてみると,著名人がこの教育を受けていると知ったので,少し紹介することにした。
モンテッソーリ教育とは?(ウキペディアを参考に)
これはイタリアの女性医師マリア・モンテッソーリが20世紀の初めに考案・確立した教育で,そもそもは精神病院で知的障害児へ感覚教育法を施して,知的水準を上げるために行われたものである。いろいろな「教具」,主に木製の玩具などを用いて,子供達の興味を沸かせる工夫がなされ,子供達の五感を柔らかく刺激するような配慮がなされている。
教具を通じて,暗記ではなく経験に基づいた質量や数量を養うことや,教具を通じて感じ取れる形容詞などの言語教育も組み込まれている。特に,子供の自発性を重んじ,どの子供にもある知的好奇心,その自発性が現れるように,自由な環境を提供することを重視している。
年齢毎に子供達の興味の対象がつぎつぎ移り変わる点に着目し,様々な能力の獲得には最適な時期があるとし,この時期を「敏感期」と名付け,一斉教育を行わず,子供達の自由と敏感期を育むものがモンテッソーリ理論とされ,これが実践されている。そのメソッドとは
- 日常生活の練習:日常生活の様々な練習を通じ,自立させることを目指す
- 感覚教育:3歳から6歳の間に,五感が著しく発達する。知的活動の基礎として重要視されている
- 言語教育:思考の道具である言語は大切で,話す・書く・読むだけでなく文法まで学ぶ
- 算数教育:感覚で捉えることのできる「量物」,それを言い表す「数詞」,書き表すときに用いる「数字」の三つで数量の概念を学ぶ
- 文化教育:動植物・地理・地学・歴史・道徳・音楽・体育・美術
日本でも幼児教育に利用されているようだが,それほど発展はしておらず,画一的な受験教育に沿ったカリキュラムの方が多いようである。
モンテッソーリ教育を学んだ著名人
もともとは知的障害児を対象にしていたがどんどん発展し,子供の幼児教育に使われ,著名な人が,このモンテッソーリ教育を学んでいる。特に,昨今の世界を席巻している,Microsoftのビル・ゲイツやAmazonの創始者ジェフ・ベゾスやGoogleの創立者ラリー・ペイジ,サーゲイ・ブリンなどがおり,ピーター・ドラッカーやジョージ・クルーニー(映画俳優)などが挙げられている。
日本では,あの藤井総太四段もこの教育を学んでいたそうである。3歳の時に入園した幼稚園が,このモンテッソーリ教育を採り入れており,教具を自分たちで選び,大きさの異なるブロックを積み上げたり,教具に内在する法則を理解して遊んだそうで,藤井四段が夢中になったのは,画用紙を編んで作る「ハートバック」という袋で,毎日何個も作っていたそうである。詳細は,「藤井四段の集中力を育てた
モンテッソーリ教育」(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1846436.html)にある。
[Reported by H.Nishimura 2017.07.10]
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