■ホームページ開設10周年を迎えて (No.514)
2007年2月,ホームページを開設して,早や10年になる。技術者として,若い人に伝えたいことがあるとして始めたこのホームページを10年を機に,一度振り返ってみたい。
エッセイ(技術よもやま話)
そもそもホームページを開設したのは,毎週身近な技術に関する話題を提供し,若い人達に思いを伝え,或いは考えを巡らしてもらおうとするのが一番の狙いだった。それは,元の職場であった技術部門の中で,同様のエッセイを書き,ある程度の好評を博していたからであり,われわれ団塊の世代と若者との考えのギャップを埋めているものだったからである。
この経験を基に,私設のホームページを解説し,広く多くの技術者に伝達できれば,との思いからである。大々的に宣伝することもなく,一部の方にしか読んでもらっていないが,それで十分である。技術者の日頃からの悩みや問題点,或いは課題を取り上げ,今までの経験からの思いを綴ったものであり,正しいとか間違っているとかではなく,一つの見解として述べてきた。
それが10年も経つと,500回を超えるものになった。もちろん,この10年現場からは遠くなり,実際の感覚は鈍ってきていることは事実だが,経験してきた重みはまだまだ健在である。話題が途切れだし,同じ事を繰り返し述べている部分もあるが,どこかのものをコピー&ペーストすることなく,自分の頭で考え,それを述べてきたつもりである。
技術経営の視点
ここでは,単に技術的な話をすると云うより,技術者として経営的目線に立ってどのように考えるかを中心に展開してきた。なぜならば技術的な内容は専門性があり,深めれば深めるほど一般的な技術者から遠ざかり,それよりも技術者として最低限心掛けておいて欲しい視点を重視して述べてきたつもりである。
したがって,技術の専門を深めている人にとっては退屈であり,むしろ技術企画や技術管理と云った方々にとっては,意味あるものになったのかも知れない。しかし,目的は管理などを中心とする技術者よりも,一般技術者,専門を極めようとしている技術者にこそ,じっくり考えて見て欲しいと思っていた次第である。技術経営と云うと,はやり管理者的なにおいが強く,誤解を生んだ内容になったかも知れないが,作者としても思いは,上述の通りである。
技術者はともすれば自分の専門分野の限られた中に閉じこもりがちになり,狭い範囲の中での思考に陥りがちだが,技術者としてより世の中に貢献する働きをするには,やはり専門分野に限らず,経営的視点をもって物事を見た方が思考が深まることが多い。それにより幅広い技術者に成長し,物事を多面的,且つ大きな視野で見つめることができるようになる。全員とまで行かなくとも,指導者的立場になろうとする人はそうであってほしいものである。
今後に向けて
具体的な技術的内容からはどんどん遠ざかってきていることは事実であり,ホットな技術者が考えておいて欲しい話題から離れてしまってきているので,なかなか当初の思い通りの内容にはならないかもしれないが,近々の話題を取り上げながら,技術向けに語っていきたいと考えている。
現場から離れても,技術的な話題に事欠かないことが多い。それらを私なりの経験から述べて行くことを継続して行こうと考えている。必ずしも,毎週継続できるかどうかは約束はしかねるが,できるだけ毎週続けようと思っている。
継続は力なり
[Reported by H.Nishimura 2017.02.06]
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