■職場の問題点とその解決策 23 リーダが育たない 6 (No.504)
リーダについていろいろ考えてきたが,同じようなものにマネジャーと云う呼び名もある。同じように使われているが,厳密にはやや意味合い,役割が違ってきている。それらについて述べてみる。
現在求められているのは率先垂範できるリーダ
高度成長期など日本中が成長をしているときは,先を見越して行動するより,確実に成長する着実性のあるマネジャーが求められるが,昨今のように変化が激しく,横並びで成長することなんてあり得ない時代では,先見性のあるリーダが求められる。つまり,部下にビジョンを示し,その方向に向かって率先垂範できるリーダが必要なのである。
リーダに求められるものは,下図に示されているが,そう簡単に誰もが持てる特性ではない。育てられながら獲得して行く特性でもある。すべてを満足できる特性になるには,ベテランになってもなかなか難しいものである。総てを目指すより,特長ある特性を持ったリーダになれれば十分であり,多少の欠点は補えるものである。
マネジャの役割も重要
リーダにとって,マネジメントもできなくてはならない。日本の企業では,厳密にリーダとマネジャの区別が無いと云える。つまり,リーダとしてマネジャの役割も求められている。即ち,所謂,管理者としての役割も果たさなければならないケースが多い。リーダに選ばれるような人はマネジメントもできる人が多い。むしろ,マネジメントを期待されていることが多いのが実態である。
したがって,リーダになる人は下図にあるマネジャの役割も心掛けておくことが必要となる。部下を育成する意味では,このマネジャとしての役割に依存すると言ってよい。
今,求められているのは?
リーダとマネジャは厳密には違うことを知っていれば十分である。現に,企業で管理者として部下を率いて仕事をする上では,リーダ的要素とマネジャ的要素を兼ね備えていることが求められている。リーダとマネジャは違うと言って,どちらを求められているか上司に尋ねたところで納得できる回答は得られない。
企業活動では,ケース・バイ・ケースでリーダとマネジャを使い分けることが求められる。一方に偏っていては,仕事がスムーズに行かないし,部下も付いて来ない。どちらに比重をおくかについても,一概に言うことは難しい。前述したように,一般的には安定した状態を維持管理するにはマネジャ的要素が重要だし,激動している状態では,リーダ的要素を活かすことが求められると言える。
皆さんの置かれた立場に立って,現状だけではなく,将来を見越して如何に振る舞うべきかを考えよう。
リーダとマネジャの違いを把握して,適切な振る舞いをしよう!!
[Reported by H.Nishimura 2016.11.21]
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