■大阪都構想復活か？ （No.452）
大阪府知事と大阪市長のダブル選挙が１１／２２にあった。NHKでは，開票が始まる前，投票が締め切られた午後８時直後に大阪維新の会の二人の当選確実が発表された。出口調査の集計結果から，明らかに差が付いていたようである。
なぜ，このような大差が付いたのか？
私の住むところは，大阪市内ではないので，府知事選だけに投票に出掛けたが，２倍近い差にもなるとは想像していなかった。市長選も接戦かと思いきや，かなりの差が付いてしまった結果となった。
そもそも，今回のダブル選挙は，５月にあった大阪都構想の是非を問うた住民投票で，僅か１万票の差ではあったが，大阪都構想にNOを下したが，その後の進め方について，再度国民の声を聞き直すものでもあった。したがって，自ずと維新対非維新の構図で選挙が行われた。大阪都構想を復活させるとも云われているが，そのプランは余り明確には伝わってきていない。
ただ，橋下市長は住民投票の結果を踏まえ敗北を認め，市長の任期を以て政治活動を止めると宣言，国政の維新の会のゴタゴタでおおさか維新の会を立ち上げたところである。それ自体は全国的に話題を呼ぶ内容ではあったが，大阪市民にとってはあまり関係ないものであった。だから，今回の選挙に維新のゴタゴタが大きく影響するとは思われなかった。
それよりも，住民投票では非維新として勝った自民党のその後の不甲斐なさがこのような結果を市民が突きつけたと云えよう。つまり，大阪都構想に代わるものとして，自民党が提案した「大阪戦略調整会議」が事実上何もできないまま頓挫しており，維新以外で大阪の将来を真剣に考えている政治家がいない現状，何もできない自民党に嫌気をさした府民の声が今回の大差を引き起こしたと云えよう。結果的には，橋下市長の戦略勝ちとも云える。
もともと，大阪ではそれほど強くない自民党であるが，公明党が離れた状態で，しかも共産党が非維新で選挙協力すると云う前代未聞の形で選挙が行われたこと自体，既に勝負は決していたとも思われる。とにかく，思いの外の大差にビックリした人は多かったのではなかろうか？
おおさか維新の会に期待することは？
私自身は，今回勝ちはしたが，維新の松井知事の手腕が優れているとは少しも感じていない。むしろ，橋下市長のイソギンチャクのようにべったりくっついているだけで，何もできない人のように映っている。府政をよく知らないからそう感じるのだと云われればそれまでだが，橋下市長の言動ばかりが目につき，あまりに存在が大きすぎるからかも知れない。
したがって，今回の選挙結果に顔を少しも出していない橋下市長が今回の結果からどのような手を打つのか？に注目が集まる。大阪都構想の復活を目指して再挑戦をするのか，或いは形を変えて，大阪を元気にするやり方を見つけ出すのか？ いずれにせよ，今のままの大阪では，第２の都市（人口では既に横浜市に負けている）としての存在が埋もれてしまっている。大阪都になるかならないかは別として，西日本の象徴として，東京に並ぶ誇れる街に変貌させて欲しいと願っている。
これは，現政権の自民党には期待できないからである。つまり，現自民党政権は安倍総理の思いが強く，独裁ではないが，自由闊達な党運営にはなっていないように見える。国民の声に耳を傾けて政治が行われているようにはなかなか映らない。むしろ，国民の声を無視し，且つ，改革との声はあるが，実際には何も手を付けない，否何もできない政党になってしまっている。安保法案だけは，安倍総理の肝いりであり，何が何でも通してしまったのである。
特に関西人にとっては，自分たちの身近な声に耳を傾けようともせず，一党独裁を我が物顔に振る舞っている自由民主党に呆れ返っている。政権交代した民主党にも期待外れでNOを突きつけたが，自民党にも同じくNOを突きつけたのである。維新の革新力に期待を掛けているのである。
私自身は，おおさか維新の大阪都構想に，まだしっくりしない部分は多く，ただ何もしない自民党よりは，少しでも自分たちの身を切る改革を実践し，国民の声を少しでも採り入れた行動が見られる維新の政治家に改革のさらなる推進により，格差を少なくした過ごしやすい社会を目指した努力に期待をしているのである。
ただ，周りには，「橋下嫌い」と云う人は多い。特に，公務員の人には多く，今までの安穏とした暮らしを脅かす存在として嫌われている。また，独特のパフォーマンスで人を誘惑し，その気にさせることは非常に上手く，カリスマ的手腕を備えている。ただ，弁護士特有の弁が達つため，強引にやり込めるやり方を批難する人は多い。私自身も，考え方や主張は頷ける部分も多いが，やり方などをみると，まだ全面的に信頼はできないように映っている。
今回の選挙結果を踏まえ，勝った維新が，住民の声に応え，より良き大阪に改革してくれることを願っている。
話題のダブル選挙結果をみて，より良い大阪へ
[Reported by H.Nishimura 2015.11.23]
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