■転機 8 職場異動 その6 (No.439)

職場異動(その6)

その頃,技術の仕事をしていたとはいえ,開発設計の仕事ではなく,技術企画・技術管理などの任務が与えられていた。パソコンは会社で仕事に使うようになっていたが,私自身は1980年代後半には自宅で,90年代に入るとノートパソコンも使い個人のパソコンを会社に持ち込み使っていた時代だった。インターネットの普及も進み出したが,当初は興味本位で覗く程度で,会社もイントラネットが構成されるようになり,情報システム部門などが会社や部門のホームページを作り始めていた。私自身ソフトウェアを設計することはなかったが,アプリケーションソフトは人並みに利用し,ホームページについても作成ソフトが出始めたので,情報システム部門が作成するのではコンテンツが限られており,もう少し技術者も利用するようなものにできないものかと思っていた。

  部門のホームページを作る

技術者の中では,パソコンを利用することには長けていたので,何とか自分でホームページが作れないものかと考えていた。情報システム部門に依頼すればできないことではなかったが,自分自身で管理運営しようとすると自分で作った方が自由度が高く,且つスピーディに対応することができることから,自分でアプリケーションソフトを使って作成することを考えた。

技術者間で共有できる情報を1カ所にまとめ,誰でも自由に閲覧できるようにしたかった。会社のパソコンが個人別に充実されるようになりつつあり,イントラネットを利用して情報管理をすれば,情報の活用もできるようになると考えた。その当時の,ホームページの内容は下記のようなもので,現在の私のホームページの前身である。個人ではなく会社組織なので,情報が豊富だったことは云うまでもない。もちろん,イントラネットとはいえ,重要な情報についてはパスワードを掛け,部外からの侵入者を防止していた。

丸.gif (940 バイト)What’s New 丸.gif (940 バイト)情報共有化
丸.gif (940 バイト)事業計画   丸.gif (940 バイト)技術情報
   1999年度   key.gif (902 バイト)    技術管理関連
   2000年度 key.gif (902 バイト) (工事中)    製品安全関連
丸.gif (940 バイト)活動計画    知的財産権関連
    活動報告書    技術トピックス(新聞情報など)
丸.gif (940 バイト)業務報告  
   プロジェクト進捗   key.gif (902 バイト) 丸.gif (940 バイト)スケジュール 
   業務週報            key.gif (902 バイト)    責任者予定表
   海外駐在員レポート (工事中)
丸.gif (940 バイト)出張報告  key.gif (902 バイト)
   出張報告書             key.gif (902 バイト) タイトルのみ    技術講座,講演会予定表
   展示会視察報告書  key.gif (902 バイト)
丸.gif (940 バイト)調査資料 丸.gif (940 バイト)データベース 
  ●重点分野市場動向       標準書フォーマット
     AV機器分野    活用フォーマット
     パソコン分野    各種図案
     移動体通信分野    図書一覧
  ●市場動向    回覧物
     引合情報 丸.gif (940 バイト)自由記述   
     技術報告    パソコン相談室
  ●他社技術情報    意見箱
丸.gif (940 バイト)内覧会資料  key.gif (902 バイト)
丸.gif (940 バイト)要素技術 key.gif (902 バイト)  (工事中) 丸.gif (940 バイト)新規情報登録コーナ
  技術情報交換室
丸.gif (940 バイト)商品説明 

  エッセイを書き始める

1,2年経ち,ホームページの活用が技術者の間でも定着し出し,マンネリ化してきたので,何かもう少し役立つものはないかと思いを巡らしていた。若い人のアイディアを活用することも考えたが,意外とこうした情報管理には関心が薄く,当然と言えばそうなのだが,如何に開発プロジェクトを成功させるかで頭が一杯のようだった。

ただ,若い人への技術の伝承はできているようであって,それほどでは無い一面が伺われた。特に,我々の世代で築き上げたものは,若い人にとっては完成したものを利用するに留まり,できた背景や狙い,そしてどのように改善していけば良いのかについて,きっちり正しく伝承する人は少なかった。

そこで,会議など機会があれば,都度丁寧に説明してきたことや,その場面で自らが感じたこと,もちろん意見を述べることなどはしたが,全員が居るわけではなく,居なかった人にも伝達するには,きちんと説明するなどの方法を採るべきではないかと思いつき,気づいたことなどをエッセイとしてホームページ上に掲載することにした。

次第に若い人達からの反応も出てきて,エッセイに対する感想を述べてくれる人も出てきた。だんだん,定期的になり,毎週1回,何かの話題を提供するコーナーとして,「技術よもやま話」を定着させることになった。この歳になっていたので,言いたいことをズバズバ述べ,自分たちが思っていることを代弁してくれているような快感を感じる若者も居た。その一方で,人事は目を光らせて,文章に内容を吟味していたようで,やや過激な表現を用いた週には,人事から掲載をストップさせられるハメにも遭った。

とにかく,定年するまでエッセイは続け,256話で打ち切った。つまり,5年間強,毎週エッセイを提供してきたのである。これが,現在のホームページの礎になっており,広く若い技術者にものの見方,考え方,或いは伝承したいことなどを今なお,綴っていることに繋がっている。もちろん,繰り返しになっていることもあるが,毎週何か,頭の体操をし続けているのである。

技術よもやま話を書き始めるきっかけ

 

[Reported by H.Nishimura 2015.08.24]


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