■携帯電話の機種変更  (No.395)

女房の携帯電話の変更に付いて行った。電源の寿命が短く,電話中に切れる状態になったので,新たなものに代える手続きに出掛けた。そこで紹介された機種変更は,納得の行かないものだった。

  「ガラ携」と呼ばれる携帯電話

スマートフォンではなく,従来からの携帯電話を私も女房も使っている。私の携帯は1年ほど前に,機種変更したが,スマートフォンの使用料が高いので(インターネットの使用が前提となっているため,通信料が入っているため),パソコンで不自由なく使っている者で,移動中にインターネットを使うことが無い者には,携帯電話の電話とメールの機能で十分なので,そのまま携帯電話にしている。

この前,大学の講座で,携帯電話をどう呼ぶか聞かれたが判らなかったら,学生が即座に「ガラ携」と答え,初めて古い固有の機種であることを知るハメになった。ガラパゴスと云えば,古い固有の生態系が残っている代表格で,日本の固有の携帯電話をして,ガラパゴス携帯と称するようになっているらしい。インターネットで調べると,如何にも古くさい感覚にさせられるので,最近はフィーチャーフォンと呼ぶこともあるらしい。それも初めて知った次第である。時代に遅れているのかな?

携帯電話をパソコン同様に使い方をする人には,スマートフォンが便利だが,私のようにパソコンの世界と,電話の世界を分けている者にとっては,ガラ携で十分活用できている。

  携帯電話の交換頻度

私の方が1年早く機種交換したのだが,実際は女房の方が先に携帯電話を使い出し,呼び出しなどに必要になってから使い出したので,一回り遅れ(3年程度)で使っており,今回女房の方は4代目になる。1年ほど前に私が機種変更したときは,スマートフォンにするかどうかの選択肢はあったが,必要最小限の機能で携帯電話にし,これまでの機種代が無料だったのが,2年間の分割払いになっていたことで,それまでの無料が異常で,機種代の負担は当然だと理解していた。

今回,女房の機種は6年間使っていたことで,長く持っている部類に相当するとの店員の説明だった。私も1年前の電池切れが起こり,どうしようもなく交換したことから,ほぼ同様6年程度使っていたことになるが,長く使っているとの説明もなく,当たり前の感覚だった。若い世代は2年程度で交換するとの説明に,余り納得は行かなかったが,新機能の追加など,機種がどんどん新しくなっている現状からすれば,そんなものなのかと云う感覚だった。

流行を追って最新の機能を使いたい人も大勢居ることは判るが,果たしてスマートフォンを使っている人で,2年毎に機種変更している人がどれくらいいるのだろうか?電車など,若い人の殆どはスマートフォンを使って,インターネットサーフィンか,ラインでやり取りか,何をしているのかよく知らないが,ムダな時間とムダな費用を使っているようにしか,私には映らない。もちろん,私自身もパソコンに向かって,インターネットを見ていることもあるので,すべてがムダとは言い難いが,じっくり自分の頭で考えることに時間を使ってもよさそうである。まして,機種変更などで次々ムダ金をつぎ込んでいる輩には文句を言いたい。それが有効な金の使い方か,と。

  機種の選定紹介

機種変更で依頼すると,店員は2つの方法を紹介してくれた。一つは,機種変更で新しい携帯電話の代金を2年で分割したものに基本料など一般的なサービスを付けたもので,機種代だけで4万円で,毎月2000円弱の分割で,もう一つは新規申し込みで,機種代は無料(サービス)だが,電話番号が変更になるとのこと。普通は,機種代サービスの方を選択されることが多い,電話番号変更のお知らせはアドレス帳に載っている方には連絡するとの説明だった。

USIMカードがあって,携帯電話会社を変えてもそのままの番号が使えることは知っていたが,機種変更ではなく,新規申し込みの形態にすると機種代金が無料になるサービスは知らなかった。継続して使っている人より,乗換の人の方が機種代金のサービスがあって不公平感があることは薄々知ってはいたが,新規申し込みの形態にすれば,乗換同様のサービスが受けられることは知らなかった。

推測の領域であるが,携帯電話は飽和状態になっているため,顧客を増やすためには他社からの乗換しかない。乗換のサービスで携帯代をタダのようにする方法が取られ,顧客の奪い合いになっている。つまり,新規顧客を増やすことを目指すことになっている。これがエスカレートして,機種変更する顧客に対して,乗り換えたような手段,つまり機種変更ではなく,新規顧客として扱うことで顧客を増やしたかのように見せているだけではないだろうか?数字のトリックだけであって,実質の顧客増には繋がっていない。それでも店員が新規の方を進めるのは何故なのか?

何とも不思議な料金体系で顧客として納得できるものではない。もちろん,携帯電話会社の競争が激化している結果として,乗換のせめぎ合いが行われているのだが,顧客重視して戦略とは言い難いものを感じる。もちろん,サービスのツケは,通信料金などで取り戻す策で,携帯電話会社が腹を痛めるようなことにはなっておらず,結局は我々顧客が面倒を見ていることになっている。このような異常なやり方は,顧客無視の表れで,いずれ早晩どこかに破綻が来ると思われる。

  機種選定の不親切さ

店員の説明と,インターネットで調べた機種代金に1万円弱のひらきがあったので,疑問に思って尋ねると,MicroSDカードが搭載されているか,いないかの違いだとのこと。何も知らずに店員の説明のままだと,32GBのMicroSDカードが搭載されたものを購入させられることになっていたのだ。電話とメールを主にしか使わない者には写真など撮る機会は少ない。撮っても内蔵メモリで十分なものである。

スマートフォンのように,いろいろ多彩な使い方をする人にとっては,メモリカードも必要だが,我々のガラ携には不要である。それなのに標準搭載のような紹介をすること自体,どうも合点が行かない。たまたま,その店員がそうだったのか,他の店員も同様の紹介をするのかは確かめられなかったが,通常であれば,メモリカードを搭載するほど写真を撮ることがあるのかどうか尋ねる親切さがあって当然である。

色合いも5,6種類あったが,好みのものは品切れで,いつ入荷できるかも判らないので,他の色か,他メーカの機種を選定するようにとのことだった。これも,ガラ携であるが故のことなのか,店員のサービス精神の無さによるものか判別はできなかったが,何となく後味の悪い機種変更だった。

更には,機種変更後,元の携帯のメールは見るだけなら可能だった(昔は)ので,できるかと思っていたら,USIMカードが未搭載となって機能せず見られない状態になってしまっていた。私などは携帯のメールは殆どその場限りのものだったので,気にはしなかったが,女房のは大事なメールが残っているとのことで,慌てて新しい携帯からUSIMカードを取り出し,元の携帯に差し替え,パソコン宛に必要なメールを転送するような事態になってしまった。

携帯電話の仕組みに不慣れな(パソコンであれば一応の仕組みは判っているのだが),シルバー世代の携帯電話の機種交換の顛末であった。

携帯電話の機種変更,乗換の制度に異論あり!!

 

[Reported by H.Nishimura 2014.10.20]


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