■2011年を振り返って  (No.251)

今年一年はいろいろなことがあった。特に,3.11の東日本大震災の出来事は,そのつめあとを未だに残している。福島原発の当時の拙い対応も,報道番組で明らかにされてきている。

過去のことを振り返り,二度と同じことが起こらないように対策を取ることは重要なことだが,そのことをいつまでも悔やんでいるだけで前に進めず停滞しているようでは少しも良くならない。これから如何にしていくかが重要なことである。それにしても,今年1年は大震災に始まり,円高,株安と日本経済は低迷している。確かに,ヨーロッパ諸国,ギリシアを始め,スペイン,イタリアなど国家としての危機が叫ばれており,日本経済だけが取り立てて悪いことではない。

民主党政権も野田内閣で3代目となり,マニフェストで掲げた内容が悉く崩壊してしまっている現状では,もういい加減にしてくれと言いたくもなる。それに,公務員改革の給与減額や議員の定数削減など自分たちに関することは棚上げして,一般庶民に最も影響のある消費税の増税の議論がなされている。増税が必要なことは,我々一般庶民でも十分判っていることだが,自分たちの身を削ることは一切せずに弱い者いじめにしか聞こえない増税のことを推し進めるのは何事だと言いたい。

国家予算が国債で半分以上を占める異常なことになっており,現状の社会福祉などを維持して行くには税収を上げる必要があることはわざわざ説明して貰う必要もない。本来,政治家としてやるべきことは,日本の将来の国の姿をどうするかであり,その第一は疲弊しきった日本の経済の立て直しではないかと思う。デフレ,円高,株安とどこを向いてもよい話はない。この状態から一刻も早く抜け出す手立てをするのが政治家ではないか。

グローバルなドル安,ユーロ安に対する円高は,これで世界経済が本当にバランスの取れた状態と言えるのだろうか? 企業の多くはこのような80円を切るような円高が進めば,日本での生産から海外生産へ切換をせざるを得ない状態に追い込まれていることは周知の事実であり,これを放置(?)している日本銀行並びに政府与党の無策にはあきれかえる。円高対策をすると急激な円安になることを恐れているやの論調もあるが,なぜバランスの取れた状態にできないのか疑問で一杯である。

80円から90円に戻れば,日本企業の多くが元気を出し,景気が浮揚し雇用も生まれ,日本全体が上手く廻る循環になることは明らかである。先ず第一に取るべき施策は,円高からの脱却ではないか。株安も円高が解消すれば,日経平均が10000円以上に戻り,日本経済全体に活気がでることは間違いない。このように感じているのは私だけだろうか? 多くの国民が望んでいることではないか?

私自身での振り返りは,何と言っても健康が十分保てなかったことで,年齢と伴に身体が弱ってくることは仕方がないが,夏に熱中症で4回も倒れることは体調管理が十分できていないことを物語っている。医者に診て貰っても,その原因となる体内の不調は見つかっていない。しかし,どのようなことから熱中症に到るのかは自分自身では判っている。熱中症を起こす閾値がかなり低くなってきていることで,無理ができない体調になってきていることである。同じことを何回も繰り返すことは,反省が足りないことだし,学習能力も無いことを意味している。本当に情けない自分である。

その他,仕事の方も半年以上,何もしていない状態が続いている。敢えて職を求めハローワークに通っている訳でもない。何か自分に合ったことを少しでもできればとは思うが,そんなに都合の良い仕事が転がっている訳ではない。いろいろ趣味が多く,やりたいことはいっぱいあるのだから,年金生活でのんびりするのでも十分である。ただ,そうして老け込むにはまだまだ早い。このエッセイもそうだが,できるだけ頭は使って,老けることが無いようにだけはしたいと思っている。

反省することとは,単に振り返り出来なかったことを悔やむことではない。悔やむだけで留まっているのでは,本当に反省したことにはならない。少なくとも,次の行動につながることで,スパイラルに良くなって行くことにならなければ,悔やみ悲しんでいるだけに過ぎない。生活の中にも,きっちりPDCAを廻すことが必要なのである。日本の政治家も,今年一年を素直に反省し,日本の将来を夢あるものにして,日本経済の立て直しに励んで欲しいと願っている。また,私自身も,少なくとも健康維持には十分心掛け,今年の過ちは繰り返さないようにしようと思うとともに,まだまだ余生を十分エンジョイできるよう努力して行きたいと思っている。

皆さんの今年一年の振り返りは,如何ですか!!

 

[Reported by H.Nishimura 2011.12.26]


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