■展示会における新しいやり方 (No.166)
いつから始まったのか知らなかったが,展示会において,出展側と顧客側とが事前に打ち合わせできる仕組みができていて,これは便利だと感じたので紹介する。
年間何十回といろいろな展示会が催されており,何度となく見に行ったことがあるが,大抵は予め目星を付けておいた企業を調査したり,或いは競合企業の出展内容を具に調査し,競合比較をしてみたり,とその目的に応じて出張していた。その目的を果たすだけでも結構くたびれた思いがある。また,目的によっては,こちらの抱えている課題を解決する施策がどこかに無いだろうかと探し廻ることもあった。
今回,こうした自分の抱えている課題をアンケートに予め応えることで,そうした課題解決のソリューションを持った出展側とが,内容がマッチングすると事前にメールでやりとりするシステムがあることを知った。
このシステムは,顧客のアンケート内容がマッチングした企業に,そのアンケートの回答内容が届く仕組みである。どのようにしてマッチングしたかを判断する仕組みは定かでないが,抱えている課題が選択枝になっていて,これがマッチングするかどうかを判断しているようである。回答者の個人名から企業名,その他アンケートに記入された困っておられる内容,抱えておられる課題などが出展側の企業に届くと,企業側がこれを見て,アンケートに記入された個人宛に何らかのソリューションを提供できる旨のメールが届くようになっている。
もちろん,マッチングした顧客すべてに回答される訳では無いが,顧客要望と出展側の希望が展示会以前に行われると云う仕組みで非常にお互いに効率の良いものだと感心した次第である。顧客にとっては,展示会ではなく,事前に自分の抱えている課題に企業側が何らかの反応をしてくれ,場合によっては,展示会前に何度かやりとりもできる。さらには,展示会に行く日時をやりとりして,相談の予約までできることになっている。
一方,企業側にとっても,顧客の要望内容が予め判り,その要望に応える内容の準備もできる。また,これは重要な顧客になりそうだと思えば,事前のやりとりで具体的な相談に応じる時間予約の設定もできることになっている。顧客の同じ時間帯での重複を予め避けることができ,時間を有効に活用できるメリットも大きい。もちろん,今までも,重要顧客に対しては,事前に招待状をお送りして,万全の体制でお出迎えすることはされていたのではあるが・・。
インターネットが普及し,各社ホームページでの紹介など,情報の利用方法は各段に拡がっている。これらを上手く活用する方法はいろいろな手段で工夫がされているが,人が仕事をする以上,単なる情報ベースの仕事では済まされない部分があり,人と人の対面でのやりとりが最後にはものを言うことがまだまだある。また,個人の悩み,抱えている課題は文字では同じ表現になっても,具体的な内容はすべて違っている。だからこそ,具体的に個別に相談したい部分があるのである。
今回のこうした仕組みが,個人ベースの悩みや課題の解消に上手くつながり,企業にとっても従来の重要顧客とは違った形での重要な顧客が見つかる大きなチャンスかも知れないと感じている。
展示会の新しい仕組みを知っていましたか?活用していますか?
[Reported by H.Nishimura 2010.04.26]
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