■事業仕分け 1 (No.146)
最近注目を浴びている行政刷新会議の「事業仕分け」について,一国民の見地から考えてみたい。
今年の流行語にもなりそうな「事業仕分け」である。テレビの報道で,民主党政権の新しいやり方の代表例として予算の見直しとして,「事業仕分け」なるものが行われ,多くのムダと思われる事業が,見直しを迫られている。概ねの意見は,予算編成のプロセスを公に示すことで国民の関心を引き,賛成する人が多い。ただ,限られた1時間と云う枠内で,事業の全てに対して議論が十分かと云うとなかなかそうではなく,財務省の主導の基で行われていると云った意見もある。これまでの予算の取り合いで規制の事実を作ってそのまま延長して事業を続けようとしていたことからすると画期的なやり方である。
そもそも「事業仕分け」なるものは,数年前から地方自治体の一部では採り入れられている手法で,予算の決定のプロセスを公開の場で議論して決めていくと云うやり方で,税金の無駄遣いを国民目線で質して行こうとするものであり,予算削減には結構な効果を上げている。そのやり方をこれまでの自民党の長期政権下で行われていたムダと思われる事業について見なおしを図ろうとするものである。
447事業に対する「事業仕分け」が予定され,11/11〜17までの前半戦で240事業について,3つのグループに分かれて検討,「廃止」「来年度の計上見送り」とされたのは46事業計4000億円,埋蔵金9000億円を国に返納になったと云われる。11/24からは後半戦が始められている。もちろん,この「事業仕分け」で決定されたのではなく,最終的には内閣として決定することになる。決まっていないとはいえ,見なおしを云われた事業については,国民が納得できるような必要性を明確に説明しないと復活は難しいとされる。
ただ国民目線で見ると,随分ムダなお金を使っていたものだとあきれかえるばかりである。所謂,予算を勝ち取ることが先にあって,事業そのものは後から付けると云ったものも結構あるし,一番腹立たしいのは,現場の人は一生懸命やっているが,その間に立った機構などが,天下りの温床となって中間搾取している実態である。公務員が定年まで働けないのでとの言い訳けも聞くが,そもそも仕事をしていないで給料だけ貰う,それも結構な高給である。こんなことが今まで平然と行われ,国民の汗水の税金をこのような形で使われていたとは,非常に腹立たしい限りである。
まず,民間企業一般と比較のしようもないほどひどい実態が次々と出てきている。自分の懐から出すお金だったら決してこのような無駄遣いは絶対にしない,と思われることが,どうしてこのようなあくどいと思われるようなやり方で許されていたのだろうかと疑問を持つ人は国民の大多数ではないか。限られた時間で説明もできないなど,不満たらたらの人も居るが,概ねムダな使い方をされていることには違いない。本当に世の中のため,日本にとって有益なことだと胸を張って云えるならば,それは事業仕分け人の心にも届くはずである。本人は有益な事業だと言っているつもりかもしれないが,とって付けた言い訳がましいことを言っているに過ぎないように映る。
実態が次々明らかになるにつれ,費用対効果の計算など全く度外視されているケースが目立つ。とにかく,予算を分捕るんだと言わんばかりの実態をこれだけあからさまになって,国民の大多数は拍手喝采である。国民の大多数が今回の事業仕分けには,民主党よくやった,との思いが強いだろう。
官僚や公務員で事業仕分けの対象となった事業に携わって居る人は大変な思いかもしれないが,正常な人なら疑問を抱いて居た人もいるのではないだろうか。ただ,こうした環境が続いていると,そうした感覚もマヒされ,これが当たり前の世界になってしまっているのではないだろうか。冷静に,自分の納めた税金がこのようなムダなことに使われて良いと思う人は居ないはずである。正常な感覚で,立派な事業をきっちりやって欲しいものである。官僚や公務員がすべてこのような無駄遣いをしていると思ったら間違いである。大多数の官僚,公務員は公僕として,みんなのために頑張っている。それをこのような一部の人によって歪められていたのである。国民として,このことはきっちり分けて理解すべきだろう。
次回にも述べるように今回の事業仕分けに異論を唱える人もいる。その言い分も判らないではないが,公開で議論され,みんなの税金がどのように使われているか,多くの国民が関心を持ったこと自体大きな成果ではなかったのではないか。
(続く)
あなたは「事業仕分け」をどのように見ましたか?
よくもまあ,無駄遣いのオンパレード,ただあきれるばかり!!
[Reported by H.Nishimura 2009.11.30]
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