■ホームページ開設1周年で思うこと (No.052)

このホームページを立ち上げて丁度一年になる。

定年退職し,新たな人生をスタートさせる意味もあって,このようなホームページを立ち上げたのは,この「技術よもやま話」の最初に述べている通りである。丁度一年が経った今,振り返って見ると,やはり当初の目論見どおりにはできていない。当初狙った目標からすれば,ホームページの1年後の完成度としては50%程度である。また,双方向でのやりとりも目指していたが,不十分な完成度とアクセスの増加が進まないことで手が付けられていない部分なっている。とにかく,反省すべき部分も多い。

  ◆できなかったこと

未完成部分が多い 

ホームページで最初のページで示した項目は,100%の完成まではもともと1年目でできるとは思わなかったが,予想以上に進んでいない。その理由の一番大きなことは,時間の制約が掛かったことである。当初は毎日の勤務が無くなるので,何もすることのない時間ができ,時間に余裕ができ,その時間をホームページ作成の時間に充てられると考えていた。そうすれば,そこそこのものはできると,安易に考えていた。

ところが,退職しても,最初の数カ月は,母親の入院,田舎での介護老人ホームへの入所手続き,それと今まで会社人間として家庭サービスを疎かにしていた反省で少しは協力も心掛けたり,そうしていると,結構時間がないのである。家庭の主婦が毎日同じことの繰り返しでも,なかなか時間が無いと云うのがつくづく判った。とは云っても,まだ時間はあり,じっくり考える余裕があった。

そうしているうちに,7月になって,上手いタイミングで再就職した。つまり,以前同様,毎日8時間の勤務,通勤を入れると12時間程度の仕事をすることになってしまった。だから,月曜日から金曜日には,ホームページを作るような時間は無くなってしまった。毎日が忙しくなると,当然週末も何かと忙しい。結果,ホームページを作成する時間を見出せず,作成予定だった部分が大幅に遅延してしまったのである。

当初計画した段階と実際の生活との違い,これは予定外のことであったが,もう少し早めに軌道修正を加えて,ある部分だけは完成させるなどと修正をしていたら,もう少し進んでいたようにも思う。これは,この一周年を機に見直しを図りたいと考えている。

アクセスが進まない

このようなホームページを公開すれば,いろいろなところからアクセスがあるのではと,当初は見込んでいた。昨今の検索サイトの充実振りから,どんなホームページも検索に引っかかるものとばかり思っていた。YahooやGoogleでの検索も自然にすぐにできるのではと思っていた。すぐにアクセスが増えるのではと。逆に,アクセスが余り増えては困る,くらいに考えており,最初の2,3カ月は内容充実のこともあって遠慮していた。

しばらくして,自然に検索されることは無理と判り,自分でYahooへの登録,続いてGoogleにも登録を試みた。そうすると,共に登録した数週間は確かに,タイトルで検索すると引っかかることが確認できたが,その間他からのアクセスがなかなかなく,結局は検索からも外されてしまった。リンクなどが張られると,アクセスも増え,検索される状態が維持されるようになるようだが,そこまでいかないと,拡がりが無く極めてローカルの知った仲間でのホームページでしかない。現在は,ローカルレベルでしかない。

これは思わぬ誤算であった。少なくとも,ある程度のアクセスを期待していたのにがっかりである。これは,アクセスが進む前に,もっともっと内容を充実させろ,との警告と受け止めている。

  ◆できたこと

「技術よもやま話」が毎週続けられた

そうは云いながらも,できたこともあった。それは,毎週欠かさず「技術よもやま話」を続けたことである。ときには,あまり技術とは関係ない話も入り込んだり,同じテーマで2,3週間引っぱったりとかはあったが,一週も欠かさず続けたことは良かった。

変化の無い毎日だと話題も少なくなりがちだが,勤めだしてからはいろいろな変化に見舞われたし,何よりも片道約2時間弱の通勤時間の往復の間に考える時間ができたことが大きい。既に,この中でも報告したように,とにかく,この通勤時間は読書時間に有効利用している。結構な量の本を読むことができた。そこからヒントを得ることも多かった。

ホームページの内容充実がなかなか思い通りに行かない中で,この「技術よもやま話」だけは何とか続けたいと思っていた強い意志が結果として実ったのである。読書の話題,会社生活での話題,それと世間で騒がれている話題と,考えるヒントを基に,通勤途上で考えを巡らしながら,部分部分を書きとめ,エッセイにまとめることはある程度習慣化されてしまった。

中身の濃さ,充実さは,まだまだ不十分な部分は許して貰うとして,何か次の世代が物事を見たり,考えたりするヒントを提供できたのではないか。もっと,私自身の物事に対する感度が高く,或いは文才があったならば,とは思うが,これが限度でもある。

若者の育成を開始(ホームページではできなかったが)

ホームページ上でアクセスが少なく,次世代への伝承を目指す目的は果たせていないが,再就職の職場で,まだ十分ではないが,若者の育成を始めている。20代から30代の若者は,会社生活の経験も少ない。かつ,仕事のスピードが速くなっているので,じっくり先輩から学ぶと云った時間的余裕もなく,仕事のみに追われている。

それよりも,またこの「技術よもやま話」で話題に取り上げようと思うが,格差社会が,現場では広がっている。特に,正規雇用の従業員とそうでない派遣労働者との待遇の違いである。給料の格差は仕方がないが,教育の機会などを見てみるともっとひどい格差である。この実態は,日本社会の将来を憂慮すべき大きな問題である。私などが,何を言っても始まらないが,少なくとも私とたまたま一緒に仕事をすすことになった若い連中には,会社間を超え,若い世代に学んで欲しいことを伝承しようと試みている。

このホームページの項目に挙げている「プロジェクト・マネジメント」や「課題解決策」は,ホームページよりも先行して,若者に講義を毎週行っている。直接教えることができるので,資料が十分揃って無くても,進める中で判らないことを遠慮無く質問して貰い,それらに対して,これまでの経験から,具体的な内容を詳細に説明している。ホームページより先行しているので,それらの内容をこのホームページに反映させようと思っている。少なくとも今年度はそうしたいと考えている。

 

ホームページ立ち上げ一周年が経って振り返ってみた

 

[Reported by H.Nishimura 2008.02.04]


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