■読書と通勤時間 (No.030)

再就職して,通勤時間が結構ある。電車・バスに乗っている時間だけでも片道1時間,往復2時間超ある。以前は片道30分もなかったので,ぼんやりしているか,或いは仕事のことを考えているかで過ぎ去ってしまっていた。しかし,今回は1日の内2時間もある。もともと,時間を見つけては本を読む習慣ができていたので,この通勤の往復2時間超を読書に有効に使おうと考えた。

そう思って通勤電車で周りを見てみると,朝の通勤時間では,座って居眠っている人が一番多い。次は,メールを見たり,書いたりしている人である。特に,女性は結構メールを触っている人が多い。誰にどんなメールを送ったり,受けたりしているのかは判らないが,おしゃべりの類なのだろうか。男性も携帯を触っているが,メールをしている人もあるようだが,インターネットやテレビを見ているようである。新聞を読んでいる人もいるが,混んだ通勤電車では意外と少ない。むしろ,本を読んでいる人の方が多いようにも感じる。

そしてもう一つ大きなことは,学生が居ないことである。丁度,再就職した時期が夏休みに入った時期である。したがって,学生を殆ど見かけないのである。参考書を片手に,と云った人が誰も居ないのである。通勤電車がそれほど混雑していないのも,学生の夏休みの影響も大きい。これ以上混んでくるのも困る。京阪電車とJR西日本に乗って通勤しているが,JR西日本の方が乗っている時間が長い。でも,JR西日本は殆ど行き帰り共,座れるのはありがたい。京阪電車は殆ど立っている。

私の場合,電車での読書は立っていても,もちろん座っている場合は結構できる。以前は出張の機会で長時間電車に乗る場合は,だいだい1冊を読みきってしまう。もちろん,斜め読みではなく,じっくり読みながら,重要なポイントはマーカーペンで塗りつぶすと云う精読タイプである。必ず二度以上読み直すから,マーカーをするのは,そのときポイントを追いかけるのに役立つからである。必ずポケットにはボールペンと共に黄色のマーカーペンを入れている。

朝の通勤時間は,時には眠くて何を読んでいるか判らないときもあるが,どちらかと云えば早起きで,朝に余裕を持っているタイプなので,起きてから2時間近く経っている。だから丁度頭がすっきりしようとする頃なので,読書には丁度良い。他に考え,悩むこともそれほどない。また,最近は,本によっても違うが,細切れで読んでも良いように,章立てが短く区切っているものが多い。そう云った本は,通勤時間のように,途中で中断されてもそんなに困らない。200〜300ページの本だと,3,4日もしない間に読み切れてしまう。つまり,5,6冊以上/月のペースである。通勤時間だけでこれだけ読めれば,他に読書の時間をわざわざつくらなくとも十分である。

当分は,まだ読み切れていない本が数冊あるので,十分であるが,すぐに追いつきそうである。もともと,図書館などで借りて読むタイプではなく,自分で買って何度も読むタイプなので,本棚には結構書籍が貯まっている。特に,ここ数年は,人並み以上に読んでいる方である。40〜50冊/年になっているようである。それでも,アマゾンでベストセラーなどを探していると,読みたい本が紹介されているので,つい買ってしまったりする。

もう少し若いときから読んでおけば,と云う気がしないではないが,若いときはゆっくり読書をする時間もなかった。他にすることが一杯あって,読書にまで時間が回らなかった。読む本にもよるが,ある程度経験を積んでから読むのと,そうでないのでは理解の深さも違うように感じる。よく経営者の人は読書をされると聞くが,物事を判断する機会などが多く,日頃から思考法が訓練されている。だから,読書による知識でより判断力を磨かれていると同時に,読書の深さも普通一般の人のそれと違うのではないかと感じることがある。少なくとも,自分自身では,若い頃とは明らかに読む早さも,深さも,理解力の早さも違ってきている。

 

読書は自分が読みたいと思った本を読もう

何かに役立つからと結果を望まず,素直に作者の云いたいことをまずそのまま受け取ろう

時間はいくらでもある,読もうと思うか思わないかで読書の時間は作れる

 

[Reported by H.Nishimura 2007.08.27]


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