■再就職にチャレンジ 3 (No.028)

次に,職探し中の人材派遣業の存在について,感じたことを述べてみる。

景気が回復したと云われるが,それは大企業だけで中小企業はまだまだ,むしろ格差が広がったとも云われている。しかし,私のように求職の第一線をほんの少しだけ垣間見ると,需要と供給のアンバランスはまだまだあるように思われる。企業側の求人要求は,即戦力,しかも安い労働力,正社員雇用でなく派遣労働者,請負労働者を求めている。一方,求職側もなかなか自分に合った仕事が容易に見つからない。そこで,人材派遣業なる仲介者がそこに目をつけて中間搾取する。中間搾取とは大げさかも知れないが,少なくとも人材派遣業に携わる従業員が居るのだから,その人件費+α は,求人側,求職側から得ることによって成り立っているのである。

企業側の求人要求と求職を探している人が,ぴったり合うなんてことはそう易々起こることはない。適当だと思われる人をあてがってみるように思われる。当然,当たり外れはある。私の前の職場でも,派遣社員や請負社員の多くをを扱ったり,見たりしてきた。従業員以上に優秀な人も居れば,そうでなかった人もいる。そうでない人に当たったときは,求めるレベルまで引き上げるよう企業側が指導育成をすることになる。通常,月間契約なので,企業側の経営状態など企業側の論理で続行,解除が行われる。

昨今は,特に専門職のような場合,人材派遣業がその人を見極めるのでなく,派遣先の企業がその人が役立つかどうかを判断し,その合否で,契約が決まる。合理的と云えばそうである。企業側が求めている人と合致すれば,契約して派遣先へ送り込む。企業側がNGを出せば,契約も不可となる。派遣社員とはそんなものかも知れない。このシステムの方が人材派遣業にはメリットがある。

再就職に成功して

採用になった企業も,ハローワークからの紹介であり,その企業では社長自らが面接もされ,簡単なペーパーテストも受けた。1次面接を合格し,2次面接にも無事合格し,正規社員として採用され,新しい企業に入社することになった。ここでのやりとりは特定されてしまうので,紹介するのは避ける。

新しい職場で私が経験し修得してきたスキルが少しでも役立ち,ひいては世の中に役立つことができたら良いなあ,と新しい世界に期待を膨らませている。少なくとも現時点では,費用対効果で,効果を費用の2倍以上は出せる自信がある。自分の役立ちがなくなったとき,先方が費用対効果で,効果が薄くなったと感じたときには,いつまでもかじりつくのでなく,潔く止めるつもりである。どこまで続けられるかは,先方に役立たなく思われる直前か,或いは体力的な限界を感じたときである。

NHKの討論会で,団塊の世代に対して,若者から,「団塊の世代はいつまでも仕事にかじりつかず,若者に任せたらどうか。あんたらがいつまでも居ることが,若者の職場を奪っていることを考えろ!」と,云った意見を聞いたことがある。全くその通りだと,私も感じている。「何もしないで会社に来るだけで給料を貰っている」と云ったことにはなりたくない。若者から指摘されるように,肩書きだけで仕事をしている振りをしている,そうした人が私の周りでも居ないわけではない。しかし,今思うことは,このまま私のスキルを持ち腐れにしてしまうより,少しでも若い世代に役立てたら幸せである。若者の職場を奪うようなことは一切するつもりはない。

ホームページを通じてできる部分よりも,直接指導育成できることは百倍以上の力である。新しいことへの挑戦は,これからスタートするが胸がワクワクしている。指導育成する一方で,新たな経験を,さらに自分のスキルを磨くために役立てようと考えている。

 

再就職,新しい挑戦の始まり!!

 

[Reported by H.Nishimura 2007.08.13]


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